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今年の市場相場を読む

ピークから急降下した小物野菜 カイワレ/ワケギ/パセリ/食用菊


【今後の対応】
パセリは4分の1になってもほぼ高騰しなかったのは、需要そのものも減ったから。元々高いクレソンなどを使っていたところが、パセリに格落ちするなどの“新たな需要”もあった。それが“2倍程度の高値”に収まった理由だ。また、バブル崩壊とともに出荷量を減らしたのは主産地・千葉。消費動向に敏感な千葉らしい。パセリの生産~流通動向は、景気にリンクする業務用需要の実像を浮き彫りにするが、一般需要の開発こそ産地の課題である。

食用菊 減少傾向はバブル絶頂期から始まる、相場だけでなく一般需要拡大で復権を

【概況】
食用菊の生産最盛期は、1986年である。生産量はかさばる割には軽いため5150t。この年、東京市場には392t入荷した。山形、新潟などでは季節的で重要な郷土食であり、地元の需要が強いはずだが、やはり東京市場の業務用中心の需要があり、生産量の8%相当量が入荷している。ただし、2016年には30年前の86年の17%しか生産されていない。バブル崩壊による需要減だけではないが、なぜバブルの絶頂期から減少したか。
【背景】
生産量は6分の1になっても、東京市場の86年対2018年の32年間の入荷量を対比すると6割減にとどまり、単価は24%上がっただけ。しかも、東京市場の入荷ピークは生産最盛期の8年後の94年、バブル経済の動きと連動している。この8年の間に東京市場での需要が引き続きあっても、生産が減り始めるという現象はなぜだろう。それは“市場相場”という魔物のせいではないか。産地からの出荷と、それを受ける市場相場との因果関係だ。
【今後の対応】
食用菊は、出荷期間が限られているため、より有利販売したい。その判断基準は東京市場での評価だ。86年が結果的に生産最盛期だったのは相場推移が関係する。84年に320t入荷で単価は1338円だったが、85年には383tと2割増だったものの、単価は史上最高値の1526円。これを見て産地は86年には増産して強気の出荷。が、991円と空前の安値だ。これで産地は生産意欲を落としてしまう。和食ブームの現在、消費拡大の大きなチャンスだ。

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