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【新・農業経営者ルポ】
農家こそ、生産メーカーになるべきだ
- 株式会社アースワーク 代表 松浦助一
- 第27回 2006年08月01日
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「日本の農業の世界には不思議なことがたくさんあるんですが、そのひとつが農産物に生産メーカーがいないことなんです」アースワークの代表取締役を務める松浦助一は、大きな目をぎょろりとさせて言った。「例えば、車でも電化製品でも、どんな商品にも、必ず生産メーカーというのがありますよね。でも、農産物の場合、生産メーカーの役割を担っているのは都市部の問屋です。そこで農家から集めたコメに、○○印の○○米みたいな名前をつけて売る。でも、そのコメの生い立ちをきちんと知っているわけではない」 コメの流通・販売をめぐるシステムへの疑問から松浦が立ち上げたのが、無農薬栽培のコメを中心に、その生産から販売までを手がける会社「アースワーク」である。アースワークでは、コメのほかに、無農薬米を使った餅や日本酒、地元の福井県大野市産の里芋なども手がけ、その売り上げ総額は3億に達している。
自宅の隣につくられた事務所を訪ねたとき、松浦は営業の仕事でかけまわっていて不在だった。事務所はOA機器や書類であふれ、スタッフが端末のキーを打つ音や、ファックスが紙をはき出す音が響いていた。目をつぶると、都会のオフィスと錯覚しそうだった。しかし、少し遅れて事務所に戻ってきた松浦の風貌は、億単位のビジネスを動かす経営者というより、土臭く、豪胆な迫力に満ちていた。腕は丸太のように太く、笑い方も豪快だ。アースワーク(大地の仕事)という言葉がぴったりくる感じの人物だった。
自宅の隣につくられた事務所を訪ねたとき、松浦は営業の仕事でかけまわっていて不在だった。事務所はOA機器や書類であふれ、スタッフが端末のキーを打つ音や、ファックスが紙をはき出す音が響いていた。目をつぶると、都会のオフィスと錯覚しそうだった。しかし、少し遅れて事務所に戻ってきた松浦の風貌は、億単位のビジネスを動かす経営者というより、土臭く、豪胆な迫力に満ちていた。腕は丸太のように太く、笑い方も豪快だ。アースワーク(大地の仕事)という言葉がぴったりくる感じの人物だった。
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松浦助一
株式会社アースワーク
代表
福井県大野市。1961年、福井県大野市生まれ。高校卒業後、岩手の牧場で1年間働き、家業の農家を継いで肉牛飼育を手がけるが、牛肉の自由化問題や相場変動の不安から畜産を断念。87年より無農薬有機米栽培を始め、93年に「アースワーク」を設立。アースワークブランドのコメ、真空パック入りの里芋などを家庭へ直接販売するほか、量販店、生協などに納入している。
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