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イベントレポート

農村経営研究会2019年第2回定例会

農村経営研究会では、2月に長島彬氏よりソーラーシェアリングの開発背景や技術を学んだ。4月には、千葉県匝瑳(そうさ)市の市民エネルギーちば(株)の東光弘氏(53)を訪ね、国内最大級のメガソーラーシェアリングの現地視察をした。今回は、都内で開催された定例会に東氏を招き、ソーラーシェアリングを通じた地域づくりの講演を聴き、講演後、東氏を囲んで会員が意見を交わした。

環境、食、エネルギー、労働、社会の問題は全部つながっている

東氏がソーラーシェアリングを始めたのは若いころからの信念に基づいている。学生時代から環境問題に関心があり、就職活動では報道カメラマンを志望した。しかし、当時のメディアで環境活動をするのは難しいと感じて内定を辞退する。その後、環境先進国のドイツで食品を通じて環境問題が広まっていることを知り、日本の食品流通に関してメディアとして環境問題を伝えようと考えた。それから二十数年間、都内や千葉市内で有機農産物を扱う店やレストランを開いたり、全国の自然食品の店に野菜やエコロジーグッズを販売したりという仕事を手がけてきた。
「私は、環境問題、食やエネルギー、労働、社会の問題はすべてつながっていると考えていた。そんななかで2011年3月、原発事故が起きた。もはや食品の流通だけでは食は守っていけないと思った」
東氏は、脱原発を志したころ、ソーラーシェアリングの開発者の長島氏と出会う。東氏にとって、ソーラーシェアリングは脱原発と二酸化炭素削減のための行動であるとともに、有機農産物と同じように環境問題を伝えるメディアであった。こうして農業と発電の実業家として、また環境をテーマとした社会活動家として活動を開始した。
「昨今、良くも悪くもFIT(固定価格買取制度)の価格が下がってきた。これまでの自然エネルギーはただ儲かればよいという利殖型だった。これからは、この地域をどうするか、日本のエネルギーをどうするか、日本の食の問題をどうするかを考えなければならない。地域の意識を高めるようなインフラビジネスとして自然エネルギーが広まっていくとしたら、いまは大きな転換の時代にいると言えるだろう」

一つひとつ具体的に行動し、地域を再構築していく

東氏は5年前、匝瑳市で農業者と意気投合し、東京から当地に移り住んで市民エネルギーちばを設立した。そこで、ソーラーシェアリングを環境型の地域づくりの手段として活用している。

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