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【江刺の稲】
台風15号の被害を聞いて考えた
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第279回 2019年10月01日
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台風が来るのでと目一杯稲刈りをして乾燥機に張り込んだものの、停電が続き気を揉まされた。幸いにも、停電になる前にかなり乾燥が進んでいたようだ。SNSで彼の窮状を知った仲間が大型のジェネレータを届けてくれて仕上げの乾燥もでき、張り込んだ籾はなんとか売り物になりそうだという。
しかし、乾燥舎の外壁が飛ばされ、今年新設したビニールハウスの格納庫も潰されてしまった。まだ把握できていない被害もありそうだという。水稲はなんとかなりそうだが、大豆は全て泥水がかかってしまい全滅。トウモロコシも収穫はできそうにない。
2014年に、「君のような中山間地の水田でもトウモロコシ生産が可能だというのを実証してもらいたい」のだと文字通り筆者にそそのかされて始めた谷地田の水田でのトウモロコシ生産である。圃場の排水を改善するために何度も暗渠を入れ替え、コンバインが通れるようにと自力で農道の拡幅までして始めたトウモロコシだ。子実トウモロコシ対応のコンバインも導入した。それで全滅の今年。電話をする前におおよその被害の状況は彼を訪ねた人から聞いていたのだが、実際に本人から被害の状況を聞くとかけるべき言葉がうまく出てこない。小泉さんに限らず、今年のトウモロコシ生産はこれまでにない被害を被っている。
しかし、乾燥舎の外壁が飛ばされ、今年新設したビニールハウスの格納庫も潰されてしまった。まだ把握できていない被害もありそうだという。水稲はなんとかなりそうだが、大豆は全て泥水がかかってしまい全滅。トウモロコシも収穫はできそうにない。
2014年に、「君のような中山間地の水田でもトウモロコシ生産が可能だというのを実証してもらいたい」のだと文字通り筆者にそそのかされて始めた谷地田の水田でのトウモロコシ生産である。圃場の排水を改善するために何度も暗渠を入れ替え、コンバインが通れるようにと自力で農道の拡幅までして始めたトウモロコシだ。子実トウモロコシ対応のコンバインも導入した。それで全滅の今年。電話をする前におおよその被害の状況は彼を訪ねた人から聞いていたのだが、実際に本人から被害の状況を聞くとかけるべき言葉がうまく出てこない。小泉さんに限らず、今年のトウモロコシ生産はこれまでにない被害を被っている。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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