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【実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!】
事業拡大と経営者の自己実現(3)
- 齊藤義崇
- 第58回 2019年10月01日
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前々回よりツラツラと、経営者の自己実現の道筋を述べてきた。飽きたという方もおられるだろうから、人材の話で締めようと思う。
農業界はブームに流されやすい一面がある。たとえば、「儲かる農業」という言葉はここ数年で当たり前に使われるようになった。農業は利益率が低く、儲けるのが難しいところから生まれた言葉だろう。だが、時間が経過し、いまや少し使い古されつつある印象を受ける。同じように多用されているのは、「人財」という表現だ。こちらは人を財産と慈しむというところに共感できる。
わかりやすいところでは、私はいわゆる「人を使っている」という感覚が乏しい。どちらかというと「手伝ってくれてありがとう」「助かるなー」「おかげでうまいこといったなー」というのが本心である。従業員やパートさんたちには、日頃から「大丈夫かい?」「疲れていないかい?」「元気かい?」と声をかける。働いてくれる人の体調管理を心がけ、自家菜園でとれた野菜を配ったり、子供がいるパートさんには花火を配ったり……彼らの家族の話にも関心を向けている。同時に私が疲れているときには相談に乗ってもらうこともある。農場の雰囲気はこうした相互コミュニケーションで保たれていると言っても過言ではない。
そんな“人財”をどうやって見つけてくるのか。聞かれるたびに、迷わず「適当!」と即答する。実際には、感覚的にいいなと思ったときに、遠慮なく声をかけている。恥ずかしいとか、面倒を見きれるかという不安があるかもしれないが、臆していたら“いい人”を逃してしまうからだ。農場に興味を持っている人やアスパラを買いに来てくれた人、子供を通じて知り合った“ママ友”、スクールバスの運転手の奥さん、離農した農家の奥さんなどにも声をかけてきた。
ほかにも、麦稈の運搬だけは内製でどうにかやってきたのだが、知り合った運送会社にダメ元で頼めるか聞いてみた。すると、十勝の荷物を運ぶ時期でなければ、何とかなるかもしれないから声をかけてほしいという答えが返ってきた。諦めずに声をかけていれば、見つかると改めて思った出来事だった。
わかりやすいところでは、私はいわゆる「人を使っている」という感覚が乏しい。どちらかというと「手伝ってくれてありがとう」「助かるなー」「おかげでうまいこといったなー」というのが本心である。従業員やパートさんたちには、日頃から「大丈夫かい?」「疲れていないかい?」「元気かい?」と声をかける。働いてくれる人の体調管理を心がけ、自家菜園でとれた野菜を配ったり、子供がいるパートさんには花火を配ったり……彼らの家族の話にも関心を向けている。同時に私が疲れているときには相談に乗ってもらうこともある。農場の雰囲気はこうした相互コミュニケーションで保たれていると言っても過言ではない。
そんな“人財”をどうやって見つけてくるのか。聞かれるたびに、迷わず「適当!」と即答する。実際には、感覚的にいいなと思ったときに、遠慮なく声をかけている。恥ずかしいとか、面倒を見きれるかという不安があるかもしれないが、臆していたら“いい人”を逃してしまうからだ。農場に興味を持っている人やアスパラを買いに来てくれた人、子供を通じて知り合った“ママ友”、スクールバスの運転手の奥さん、離農した農家の奥さんなどにも声をかけてきた。
ほかにも、麦稈の運搬だけは内製でどうにかやってきたのだが、知り合った運送会社にダメ元で頼めるか聞いてみた。すると、十勝の荷物を運ぶ時期でなければ、何とかなるかもしれないから声をかけてほしいという答えが返ってきた。諦めずに声をかけていれば、見つかると改めて思った出来事だった。
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齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
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