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今年の市場相場を読む

上半期に輸入が大幅に減少した野菜 キャベツ/結球レタス/ブロッコリー/ニンジン



結球レタス 国産が不安定な冬春期でも輸入半減、ハウス栽培含め意図的な生産振興を

【概況】
結球レタスの輸入は上半期で昨 年のほぼ半数だった。何しろ昨年は前年比34%増で、史上最高を記録した。レタスはアメリカから夏場を中心に5000t程度輸入されていたが、この数年来、冬春期の国内生産が不安定なため、主に加工業務用として台湾からの開発輸入が始まった。実際に昨年の年明け、主産地の静岡産が大幅に生育遅れで1月にはキロ400円近くまで暴騰。遅れた分が3月に集中し、半値以上の暴落を招いたものの156円。
【背景】
そんな特殊事情がなかったため、今年上半期の輸入は半減した。東京市場への輸入品の入荷状況も、昨年にはさすがに台湾産が前年より6割増えて約400t。しかし、今年は約3割減ったものの、平年並みの入荷だった。昨年1月に大幅に入荷を減らした静岡産は、今年は平年並みで市場全体では4割増だが、まだ品薄感があって1月の単価は200円超え。その後は安定入荷が続いて価格も落ち着いた。加工業務需要者が安定して原料を確保している証拠だ。
【今後の対応】
今後も加工業務需要者は、とりわけ冬春期のレタス輸入を、日本種を使った開発輸入の形で固定化していくだろう。その一方で国内では、カット野菜企業のなかには契約農家や自社農園で、レタスをハウスで周年栽培する動きもあるが、露地栽培のレタスより管理が楽なブロッコリーに転換する冬春産地もある。いまや主要食材になったレタスは、軟弱性ゆえに緊急対応が難しい。意図的な国産振興がない限り、海外に“当てになる”産地を作るしかないか。

ブロッコリー 前年より46%減っても実数5000t、国内産地はリレー化意識し連携を

【概況】
ブロッコリーは今年上半期に輸入量5000t弱、前年比で46%減った。かつて輸入量が半年で3万tを超えたことを考えると、この品目の国産化は目覚ましい。今年の輸入減少は、昨年に前年より3割程度増えた分、一昨年レベルに戻っただけ。一方、東京市場の入荷動向から見ると、昨年上半期は一昨年より1割減ったことで15%ほど高くなった程度。東京市場を見る限り輸入が大幅減という感じではない。
【背景】
注目は東京市場の昨年の年明けだ。1月には前年より24%少なく4割高、2月には41%減の7割高に。それが今年1月30%増、2月は76%も増えて平年並みとなった。この間、輸入品の入荷は昨年上半期で前年より1割程度増えただけだったものの、今年は4割も減った。昨年の品薄高は、主産地の愛知、埼玉が3割前後入荷を減らしたから。今年の入荷増は主産地の一つ埼玉からの出荷がさらに減った一方、愛知産と香川産が大幅に増やしたからだ。

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