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特集

紀平真理子のオランダ通信 2019年夏


さらに、低温殺菌牛乳とヨーグルトは、ロッテルダム市内にあるドイツ系のディスカウントスーパーマーケットチェーン、Lidlとロッテルダムが本社の業務用スーパー兼卸売、Zegroで販売されている。以前訪問したほとんどの酪農家は、年間120日以上、1日6時間以上放牧をしないといけないなど、乳業メーカーや小売が定めたルールを遵守していると聞いた。
「フリースランドカンピーナに出荷する場合はそうだね。この日数はとくに規制ではないので、気にする必要はないんだよ。LidlはKIPSTER(注:閉鎖型で平飼いの養鶏場、飼料の97%が食品廃棄物。オーガニックと平飼いの一歩先を行く“カーボンニュートラル”を打ち出している)など何か新しいことに特化したプロジェクトを近年支援しているんだよ」(同)

【入場料と出資者からの支援で成り立っている】

牧場の見学には入場料が4.5ユーロ(4~18歳は3ユーロ)かかる。小学生用の教育プログラムやプレゼンテーション、ワークショップも有料で提供している。訪問時もひっきりなしに見学者や視察者が来ていた。おそらくここが一番大きな収入源になっているのだろう。ただ、収益はあまり出ていないようだ。
「冬場は囲いをつけて乳牛たちの寒さをしのぐ必要があるんだけど、囲いの建設費の工面に苦労している。ここはほぼ投資家や支援者の援助で成り立っているからね」(同)
実際にプロジェクトに出資、または協力している企業や研究機関は50近くあり、そのほとんどが国際的組織になっている。
Floating Farmは、いまの段階では先進国での新しい農業ビジネスモデル構築のためというよりも、飼料の生産や糞尿処理、エネルギー削減、エネルギーの再生成などのテーマで、オランダの農業技術メーカーや研究者が、将来的にこのモデルを世界で活用することを視野に入れた実験的な取り組みの要素が強いように感じた。それにしてもオランダは外から注目を集めることと、外に目を向けて進出の機会を狙うことが本当に上手だと改めて感心した。

Part4 めまぐるしく変わる環境規制に対応し、消費者とのコミュニケーションで理解を促す

【畑作生産者Jan Reinierde Jong氏訪問】

アムステルダムから電車を3回乗り換えて3時間弱、ドレンテ州の中心であるエメンに到着すると、Jan Reinierde Jong氏が車で出迎えてくれた。そこから15分ほど進むとオドールンという人口1800人の村に着く。以前は羊のトレードが行なわれていた農村だったが、いまでは農家が5戸になった。同氏の自宅に到着すると、夏休み中の3人のかわいい娘さんたちにオランダらしくきっちりコーヒーを2杯と、一番年上のお姉ちゃんが焼いたケーキでもてなしてもらった。

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