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「効果が同じであれば、オーガニックのもので良いのではないかと思ってね。ただ、オーガニック製品の問題は、使用機会の80%は効果があるが、20%はまったく効果がないことだね」
さらに続けてこう話す。
「我々農家は、栽培に関しても環境保護に関してもベストを尽くそうとしている。文句や争いごとは意味がないし、非難ではなく違う方法を考えるべきだと思うよ。最近は楽しく農業をする人が減っている。消費者や周りの人がネガティブなことを言うからね。でも、私は農業は世界で最も美しい仕事だと思っているよ」
同氏は「Problem(問題)=Opportunity
(機会)だ」と何度もつぶやいていた。
なお、帰国後の10月1日にオランダ国内の1万5000以上の農家がLTO Nederland(オランダ農業園芸機関)と地域の組織であるLLTB(リンブルグ農業園芸団体)、ZLTO(南部農業園芸機関)、LTO Noord(北部農業園芸機関)とともに政治の中心であるハーグ市に2000台以上のトラクターで集結し、近年の環境保護や動物愛護に関してNGO団体や政治は真実や根拠を欠いた農業への批判を続けていることに対して抗議を実施した。気候変動や環境保護への責任が農家に押し付けられていること、社会的議論の大半をNGO団体が占めており、政策を決定するにはバランスを欠いていることへの抗議、そして農家と一般市民のギャップを減らし、農家の社会的立場と誇りを取り戻すために実行された。Jan Reinier氏にコメントを求めると「政治家も一般市民もこの抗議に対してとてもポジティブだった。私が想像していたよりはるかに! 感動的な日だった」とのことだった。#trotsopdeboer(農家の誇り)というハッシュタグでSNS上で参加への呼びかけや当日の様子が投稿された。農業関連会社も次々と賞賛のコメントを寄せている。
【一般消費者に販売しない生産者こそ、消費者とのコミュニケーションが大切】
同氏は、農家は栽培知識だけではなく、銀行との付き合い方や機械の扱い方、一般消費者へのPRの方法など「どの方向性で」「何をしたいか」によって必要なスキルが異なると考えている。「でも一番は、農業を楽しむことが何より大切だと思っている」と何度も言う。一般消費者は農業のことを知らない。とくに消費者に直接販売しない生産者は消費者とコミュニケーションを取らない。
「私はInstagram、Facebook、Twitter
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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