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などのSNSで、農機やスプレーヤーでの作業の様子など普通の農家の現状や、自然保護マネージメントのことなど、環境にも配慮して栽培しているという情報の共有を続けている。大半がポジティブなリアクションだね」
【視野を広く持ってビジネス機会を逃さない地産地消には利益を求めない】
利益は大切だが、利益のことだけを考えて一つの取引先や作物に没頭し、視野が狭くなってさまざまなビジネス機会を取り逃がしてしまうことを恐れている。この地域は、元々ヨーロッパのサッカーグラウンドの約90%の芝生を生産しているが、近年は各戸で播種するのではなく、芝生を購入して移植することがスタンダードになってきている。
「いま、一番利益が出るビジネスだね。でも、いろんなことに目を向けておくことが大事だよ。これも数年後には利益が出なくなるからね」
地産地消についても次のように語る。以前、地域のブルワリーから大麦を売ってほしいという話があったが、量を聞いたら必要量は5kgのみで0.1ha分も必要がないと言われた。
「それくらいならタダであげるよと言ったよ。私の大麦はハイネケンなどにも使われていて、世界中に製品となって輸出されている。てん菜を原料にした砂糖も世界中に輸出されている。地産地消や国内消費も大切だが、なんせ小さい国だ、必要量が少ない。私は“ローカル”には利益を期待せず、ただ地域のためになるようなことをしているよ」
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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