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今年の市場相場を読む

国産増加が確実視されていた野菜類 ニラ/パプリカ/ニンニク/ベビーリーフ

ここ10年間、日常品である野菜類は需要が比較的安定していた。野菜は景気の動向と関係なく天候のいかんで流通量や価格、購買傾向が変わるものだが、平成に入ってから17~18年間は不況が長期化したことで、モヤシが代表する、いつも流通量や価格がほぼ変動しない工業製品的な野菜が人気だった。しかし、過去10年くらいには、徐々に野菜への関心が戻ってきたようで、主に緑黄色野菜類の需要が伸びる傾向が出てきた。そんな流れから当時、青果物業界でこれから伸びてくるだろうと期待された野菜類がいくつかある。それらの品目は現在までどんな推移をたどってきているのだろう。

ニラ 1束平均では原価70円程度で値ごろ、遠隔産地は集約・一元化で信頼醸成を

【概況】
東京市場でニラの入荷動向を07年対18年の11年を対比してみると、入荷数量は18%減少し、単価は67%高くなった。春に増えて夏場にやや減るが、秋にもう一度ピークがあっても冬に減りすぎることはない。安定的に周年供給されている品目だ。グラフを見れば一目瞭然だが、入荷の増減が価格の高安にきれいに相関している。非常に安定した需要に支えられていることを物語る。平均単価は高くなっても100g束で原価72円の値ごろだ。
【背景】
ニラが、増加が期待される野菜といわれてきたのは、青みが強く栄養価が高い緑黄色野菜で、軟弱で調理も簡単、単価も安い(高くても束150円前後、安いと100円を切る)と、家庭の主婦たちから人気の品目だからだ。安定しているのは、周年36~37%のシェアを崩さないトップ産地の栃木がベースとなり、関東ではこれに茨城と千葉が完全に補完(3県でシェア7割)し、夏場には山形など東北・北海道から、冬場は高知が供給体制を補強しているのだ。
【今後の対応】
ニラが調理しやすいのはちょっと加熱すればいい軟弱野菜だから。しかし同時に鮮度保持が厄介な野菜だともいえる。近郊産地だからこそ年間の7割を賄えるが、遠隔産地の場合は、大型の産地に集約して効率化するか、中小産地を広域で一元集荷してロットを大型化しないと、信頼される産地にならない。東京市場への入荷量が減少してはいても、主産地・補完産地の役割分担が明確で確実な安定品目に定着した、信頼が増した品目である。

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