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人生・農業リセット再出発

CRISIS CONTROL(危機管理)(黒木安馬)


外国の乗員マニュアルにはこう明記してある、「もしあなたが生きていればこそ数百人の命を救うことができる、まず自分が助かることを考えよ!」と。お腹がすいていないからと食事抜きで乗務してくる部下をよく叱ったものだ。「万が一、トラブル発生やハイジャックなどが起きたら、これから何十時間以上は食べる余裕はまったくないのだぞ、保安要員としての自覚が足りない!」と。
今回の台風直撃で、我が家も10日間の停電ショックになった。電気がないと、水道ポンプ、冷蔵庫、トイレ、風呂、ガソリンスタンド給油機、信号機、スーパーマーケットやコンビニ、パソコンも、ありとあらゆる物が真っ暗闇の原始社会へ消えてしまう。水、食べ物、移動手段、携帯電話も途絶え、TVも映らないから情報も遮断されて孤立してしまう初めての驚きの体験だった。LIFE-LINEが途絶えるということは、まさにお先真っ暗。それも一時的ではなく、千葉県のほとんどが1週間以上も!とは前代未聞の体験である。我が国のほとんどがそうなったら、死活問題になって餓死者も相当数出るだろう。これが台風ではなく、人為的なサイバー攻撃や無人ドローン爆破などで、発電所やレーダー、通信システムなど、国中のすべてがダウンしたら……あり得る世界情勢だけに想像するだけでゾッとする。今回はそんな大惨事のなか、私はそのほとんどが家に居なくて地方講演旅行中だった。問題は、テニスコート、プールを含む我が家はすべて私の手作りなのだ。電気配線、水道、ガス配管など、どこがどうなっているのか業者が来てもわからない。それどころか私が28歳のときの工事だから、自分でも、どこがどうだったか忘れている! 途中で帰宅しようにも、電車やバスも止まっている状態。
貴重なRISK-MANAGEMENT体験から学んだことは、3日分以上の、水・レトルト食品・電池・卓上ガスコンロとボンベ、電池LED照明器具、ガソリン、木炭などの備蓄は最低限必要な物だということだ。発電機は倉庫にあったのだが、長く放置しておくと始動できない。トイレには、10本以上のペットボトルに水を入れて置いておき、1カ月に1回ぐらい取り替える。トイレが流せないのは意外と大変な苦痛だから役に立ち、水は沸かせばまだ飲める。サランラップは皿を洗う必要が無く、汚物処理も、防寒、防水にも役立つから、車にも常備するべし。何事も、供え物あれば、幽霊なし!
ケネディ大統領は言った、「中国語では危機という言葉は二つからなっている、危険と機会。CRISISか、CHANCEか。前向きであれば、どんな状況に遭遇しても思考次第で人生を大きく変えるチャンスになる」と。CRISISの語源は、ギリシャ語で「決定」「転機」の意味である。

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