ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

緊急セミナー ラウンドアップ問題を考える 誌上採録・前編


作用機序(ModeofAction)を評価します。その評価は「Hazard Identification」
と「Hazard Characterization」のツーステップで実施します。
簡単に言うと、Identifyするというのは、Hazard(危険の要因)かどうかを見極めるだけですので、例えば、大量にマウスに注射するなり、飲ませるなりして、一定の量を超すと死亡動物が出ることがわかれば、これは大量に曝露すれば毒になるとIdentify(識別)できたと考えます。
次に、IdentifyしたHazardはどんな性質を持つのか。例えば、妊娠中のお母さんが摂取すると胎児に何らかの形態的異常が出ますといった性質を詳細に調べるとともに、その影響がどのぐらいの摂取量で起こるかを調べます。裏を返せば、どの程度以下であれば何も起こらないか、ということを正確に評価していくのが「Hazard Characterization」というステップです。
我々はこのように、Hazardの性格を丁寧に調べます。

■農薬の暴露評価

毒性評価と同時に、曝露評価というものも実施します。この曝露評価というものは、すでに環境中に蔓延しているものであれば、例えば、河川水中の濃度を測定すれば飲料水の中にどれくらいの量があるかが推定でき、ヒトの飲水量から曝露量を計算することができます。
しかし、農薬のような場合はこれから環境に放出する化合物ですから、まだ現実には環境中には存在しません。そういう場合は、実際に試験圃場で散布していただいた後にその作物を採り、残留する農薬の量を測ることで評価します。
作物に残留する量が分かれば、「ヒトは一日に最大どれくらいその作物を食べるので、推定される摂取量はどれくらいになりますよ」ということを計算で求めることができるというわけです。
したがって、農薬のリスク評価とリスク管理は、毒性の強さや性質を総合的に評価した上で1日あたりここまでだったら摂取しても何も起こらないという量を決め、作物への残留量の総和が許容量を上回らないようにコントロールすることで達成されます。概念としてはこのような仕組みです。

【農薬を知る】

■正常範囲を知る

まず、どれくらいの量を摂ったら害が出て、どれくらいまでは大丈夫か?
これは物によって考え方が違います。まず、栄養素やビタミンなど、我々が生きていくために必要なものを例にあげたいと思います。

関連記事

powered by weblio