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今月の数字

43店(1~10月までの洋菓子店の倒産件数)


ケーキなどのスイーツ市場は18年で4,196億円と菓子のなかでは主要な割合を占めているものの、最近では業界の構造が激変している。洋菓子店の倒産が目立っているのだ。帝国データバンクの調べでは、洋菓子店の倒産が今年10月まで43件超と過去最多となった。背景には「コンビニスイーツ」の台頭がある。17年時点でコンビニや量販店におけるスイーツ市場の規模は前年比0.7%増の5,353億円だが、スイーツショップの市場は前年比1.1%減の8,872億円だった。近年では、小麦やバターなどの原料と人件費が上昇し、洋菓子店の原価率は49%を超えているという。街の洋菓子店では日保ちが長い焼き菓子を増やしたり、保存のための冷凍設備を導入したり、半製品の保存が不要なパンケーキを導入したりと、ロスを減らすための工夫を重ねている。
このような「成熟」「守り」の市場のなかで成長を遂げている企業がある。創業100年を超す歴史を持つ愛知県の製粉会社の(株)プレジィール(売上約150億円)が事業展開する「ファンドリー」というケーキ店だ。13年3月にそごう横浜店内に1店舗目がオープンし、6月にはあべのハルカス近鉄本店タワー館に2店舗目、3店舗目は15年4月に大阪阪急うめだ本店の地下1階が開店した後、軽井沢、西武池袋、渋谷東急東横、三越銀座、高島屋新宿、エキュート品川、エキュート大宮、アトレ川崎、京王新宿と、見る見るうちに店舗を拡げた。
同店の特徴は、果物が一番美味しい旬の時期に、より美味しくなる形で、商品を提供することだ。農業界からすれば当たり前と思えるかもしれないが、果物の収穫に合わせて洋生菓子を提供することは、天候によっては収穫時期が遅れるということだ。それでも、「静岡県産クラウンメロン」「長野パープルと瀬戸ジャイアンツ」「熊本の栗」「あまおう」「紅玉」など、国内のこだわりの果物を扱っている。価格は1片が600~700円とかなりの高額だが、洋菓子売場では行列ができ、隣接する洋菓子店に圧倒的な差をつけている。
中規模経営では手堅く商売をしようと思っても効率性は大規模経営のオペレーションや資金力には及ばない。自店ならではの「専門性」をどのように磨くか、それを他とは違う独自の魅力としてどのように情報発信して届けていくか。業界の常識や競争のルールを知ったうえで、それを打ち破ることが顧客の共感を得ることになる。

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