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イベントレポート

農村経営研究会 2019年第3回定例会


「しかし、どうも美しくならないところがある」
加藤氏は、美しくならない町村には3つの課題があると言う。最も大きな課題は、加盟しても現場の住民が参加していない場合があるということだ。2つめの課題は、長期的な計画が立てられずPDCAサイクルを回せないことである。企業家は将来に向けた明確なビジョンを掲げ、バックキャスティングで戦略や計画を立てるが、町村長には任期と選挙があり、行政は毎年新たに計画を立てる。そのためPDCAが欠落するのだ。3つめの課題は、町村の計画が、交付金や補助金の条件に従って書かれていることが多いということだ。企業や住民が負担している活動費も、交付金や補助金と同じ感覚で扱ってしまう。
「目的と手段が逆になっている」
いまでは、地域の産物を都市に売りたい、都市の人に来てもらいたいという運動に陥りつつある。加藤氏は、村が最も美しくなることで誇りを持ち、現場の住民を大事にして、村が自立するという目的に集中しようと伝え続けている。
「松尾氏が新たに立ち上げたスマート・テロワールは、行政の枠を越えて住民や民間企業の力を引き出し、個人戦から団体戦に変え、自給圏を構築して自立しようという取り組みだ。その中にある日本で最も美しい村には、日本の原風景や世界遺産、安心、安全、絆がある。それらを磨き、さらに美味しい食べものや素敵な宿をつくれば、世界中の人が交わるところになるだろう」

住民運動に必要なのは情熱あるリーダー

「もちろん、素晴らしい村もある」
たとえば、岐阜県下呂市にある馬瀬地区である。旧馬瀬村の元職員が、地域の人々をフランスの最も美しい村の視察に連れていき、村に帰ると「外から来た人に見てほしい場所を集落ごとに1カ所決めて看板を立てよう」と呼びかけた。景観に合った看板が10ほど立てられると、住民の手でその一帯の美しさに磨きがかけられていった。
「住民運動にできるかどうかは絶対的な条件がある。最低10年は言い続ける情熱を持ったリーダーがいること。美しくありたいとか、美味しいものを食べたいとか、みんなと手をつなぎたいと考えるのは世界共通で大勢いるだろう。そのなかに『あの人がやるなら間違いない』と言われるリーダーは必ずいると思う」
最後に加藤氏は「日本で最も美しい村」連合のなかで活動を続けている理由を話した。
「戦後の最も幸せな時代を送ってきた我々団塊世代の務めは、もらったものを返していくこと。私も次の世代に何か残したい。若者を含む次の世代の人たちが歳を重ねることは素晴らしいと思ってもらえるような姿を見せたいと思う」

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