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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第12回 ワインツーリズムのまちづくりエッセイストの構想が実現ヴィラデストワイナリー(長野県東御市)


小西社長によると、「当時、ワイナリーは4、5軒あったが、まだ千曲川ワインバレーという言葉はなかった。玉村氏と麻井氏は、小諸にはマンズワインがある、もし丸子にメルシャンのワイナリーができると、うちと合わせて、千曲川を挟んでトライアングルができるようになる、そのうち周辺にワイナリーが増えて、カリフォルニアのナパバレーのようになればいいな、と話していた」。千曲川ワインバレー構想の原型である。「千曲川ワインバレー」という言葉は12年正月頃から使われるようになった。
ナパバレーが出てきたが、リバーサイドにブドウ畑が延々と連なる欧州のラインガウも夢の中にあったのではないか。

【ワイナリーの開設ラッシュ】
いま、千曲川流域に25軒、うち東御市(人口3万人)だけで10軒のワイナリーが立地している。参入予備軍も多い。ヴィラデストワイナリー(03年設立)の後を追って、新規参入が相次いでいる。玉村氏がこの地域で良いワインができたと情報発信していたことが効いた。
比較的早かったのは、リュードヴァン(小山氏)、はすみふぁーむ(蓮見氏)で、東御市に移住してブドウ栽培を始めた(当初はヴィラデストに委託醸造)。その後、ヴィラデストのワインが08年に日本ワインコンクールで金賞受賞、同年、洞爺湖サミットのワーキングランチで各国首脳に提供され有名になり、全国から自分もブドウを育てワインを造りたいと相談に来る人が多くなった。
東御市が「ワイン特区」を取得(08年)し、リュードヴァンもはすみふぁーむも独立してワイナリーを設立した。これを見て、“移住者”でもできるんだ(土地に問題なし)と、さらに多くの人たちが当地を訪問してきた(表2のNo.6~10のワイナリーはそれを見て参入してきた人たちである)。
表2に見るように、千曲川上流(東地区8市町村)だけで、早くも16のワイナリーが開設されている。ブドウ栽培の生産者は44に達しているが、彼らもワイナリー新規参入の予備軍である。

【効果――耕作放棄地の減少】
ワイナリー及びブドウ生産者の増加に伴い、荒廃農地は少しずつ減ってきた。表1は東御市のワイン用ブドウ作付面積であるが、15年の21haから、19年32haに増加した。宝酒造用に用意した土地(30ha)の再開墾分を加えると59haになる。もっとも、市の耕地面積1500ha、耕作放棄地400ha超に比べると、まだわずかな面積である。荒廃農地の解消は、離農・耕作放棄とワイナリー増加の競争である。

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