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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第12回 ワインツーリズムのまちづくりエッセイストの構想が実現ヴィラデストワイナリー(長野県東御市)


ヴィラデストは自社畑10ha、ワイン生産量3万本の規模である。ブドウ園はまだ成園になってない畑があり平均単収が低いが、成園になれば10a当たり単収は500kgにはなるので、ワイン生産は5万本に増産できる(注:現在の10haには旧宝酒造向け予定地30ha再開墾のうち3haを含む)。
ブドウ品種はシャルドネ、メルローが多いが、ピノ・ノワール、ソーヴィニヨンブラン、ピノグリ等も植えてある。標高差を利用して色々な品種を栽培。赤・白半々。すべて欧州系のワイン専用品種である。
慣行農法であるが、一部の畑は有機栽培に近い(約1割の1ha)。醸造は培養酵母を使っている。世界中で使われている酵母で、優れている。有機栽培の畑の分だけは別醸造で、野生酵母を使っている(12~13年前から)。小西社長によると「野生酵母を使うと味わいが複雑なものになり美味しい。培養酵母はクリーンな味がする」。野生酵母は今後も1ha分だけで、増やす予定はないと言う。
プレミアムワインが多く、価格帯は3000~5000円である。日本ワインの中でも高いクラスのワインだ(注:兄弟ワイナリーのアルカンヴィーニュは2000円台のカジュアルな価格で出している)。

【日本ワインの競争力は向上している】
日本ワインの競争力について質問した。小西社長「日本全体で見て、白ワインの方が品質が高い。赤ワインのレベルも向上中です」。小西社長が特に強調したのは、世界の流れは日本に有利な方向になってきていることだった。「15年前、濃いワインがもてはやされたが、今は軽めのものになってきている。日本の赤ワインは優しい繊細なワインで濃くない。チリでも同じ品種でも熟させずに早めに収穫するなど作り方に変化が出ている。品種も変化してきた。仏ボルドーも変化しつつある」。エレガントで繊細なワインへと世界のワイン造りは変化しているようだ。
日本ワインは高いですねと言うと、小西社長「フランスの価格も上昇している。日本ワインは高いと言われるが、品質は上昇しており、競争力は接近している。同じ3000円でも遜色なく近づいている」(注)。
ワイナリーカフェが併設されてある。同社のワインの販売先はショップでの直売1万本、レストラン消費・通販5000本(合計で直売1.5万本)、酒屋卸1.5万本である。直売が半分を占めている。酒屋でも、ヴィラデストの良さが分かっている人は5000円でも買ってくれるようだ。

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