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【農業は先進国型産業になった!】
日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第12回 ワインツーリズムのまちづくりエッセイストの構想が実現ヴィラデストワイナリー(長野県東御市)
- 評論家 叶芳和
- 第32回 2019年12月23日
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勝沼にワイン文化が根付いているのは、勝沼のワインはカジュアルなものが多いことも要因であろう。つまり、ヴィラデスト等より安い。それがワイン文化を創っているのではないか(欧米でも普段飲みのワインは数百円~千円以下)。ヴィラデストは事業経営的には大成功したと思われるが、文化の創造は経営より難しいかもしれない。「飛び地経済」を克服する道もそこにあるように思われる。
初めて上田市や東御市を訪れて、移住するなら、ここがいいなと思った。まず一見して、地域の水準の高さを感じた。東御市田中の農家地帯は蓄積を感じさせる。上田市は文化の香りと都市機能の集積もある。また、空気がきれいで、湿潤さがなく、明るい。「風土」が水準の高いまちを創ったのであろうか。古代ギリシャ以来、文化と共生してきたブドウ栽培にピッタリの地域のように思えた。千曲川ワインバレーは、日本を代表するワイン産地に発展していくと予想される。
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叶芳和 カノウヨシカズ
評論家
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了。元・財団法人国民経済研究協会理事長。拓殖大学 国際開発学部教授、帝京平成大学現代ライフ学部教授を経て2012年から現職。主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社1993年)、『走るアジア送れる日本』(日本評論社2003年)など。
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