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スマート・テロワール通信

庄内スマート・テロワール豊穣感謝祭


畜肉加工品は、東北ハムがあらびきウインナー、ロースハム、ベーコンを製造している。このうちあらびきウインナーは19年の「やまがたふるさと食品コンクール」で畜・水産物部門の最優秀賞・山形県知事賞を受賞した。同年からは余剰水田の畑地化試験も始まり、庄内の加藤畜産も庄内産飼料による肥育を始めている。帯谷伸一社長は、本誌の取材に飼料増産への要望を語った。
「私たちは、もっとつくりたいと思っている。ただし経営計画を立てるにはもっと肉の量が必要だ。その量は飼料用トウモロコシの量が基準になる。少しずつ増えているので、計画が立てられる量になることを期待している」
鷲田民蔵商店が製造している味噌も豊穣感謝祭で紹介された。また、はなぶさ醤油が手掛ける醤油は20年秋に完成予定だ。19年には、小麦加工品は山形県内に3店舗を構える酒田ラーメン花鳥風月が庄内産小麦のラーメンの販売を始め、鶴岡市内の学校給食センターが庄内産ジャガイモの肉じゃがを提供するなど、地域住民に取り組みを伝える場が増えた。

学校給食を通じた情報発信と食育

鶴岡市にある5つの地区の学校給食センターは19年12月、鶴岡市の働きかけで鶴岡市内全小中学校と幼稚園などで庄内産ジャガイモを使用した肉じゃがを提供した。今回提供されたのは1食ずつ計1万食ほどで、使用したジャガイモは約870kgである。中坪あゆみ助教によると、鶴岡市の学校給食で使用されているジャガイモの総量は年間約29トンで、庄内にジャガイモの圃場が2haあればすべて庄内産で賄うことができる計算だという。
豊穣感謝祭に来場していた学校給食センターの専門員・管理栄養士の庄司順子氏は、次のように話した。
「スマート・テロワールという言葉は目にしたり耳にしたりしていたが、学校で子どもたちに説明できるように改めて勉強しに来た。今日、勉強してすごく大事なことだと思った。これからはもっと他の食材でも取り組んでいきたい」
5つの給食センターはそれぞれ「学校給食だより」で庄内スマート・テロワールを紹介し、学校給食が地域の子どもたちや住民に情報発信した。
「山形大学は次世代形成を理念として掲げている。今後、庄内の未来をつくる子供たちへ農を通じた食育活動も進めていきたい」(中坪助教)

中田康雄の気づき

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