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8年前に横浜の町工場のオヤジたちが展示会でコマを回してみようとFacebookで呼びかけたことがきっかけになり、いまでは世界コマ大戦や全国高校生コマ大戦まで開催されるほど瞬く間に広まりました。統一されたルールのもとで、職歴50年を超える大ベテランから小学生まで世代を超えた勝負が繰り広げられています。僕もお手伝いをしてるんですけど、血の通った交流が育まれていて、コマのご縁で就職するケースも出てきているんですよ。近い将来ロブストスは学生や若手農家、販社の新入社員などの研修を受け入れたいと考えています。技術を伝えるだけじゃなく、実際に一緒に現場のお困りごとを解決して、心が震えるような時間を共有していけたらなぁと夢見ています。ということで、今月は技術を要する難易度の高い複製案件を紹介しましょう♪
元の形状に複製するのが最適解とは限らない
ヰセキ販社さんから頼まれたのは、T725トラクターのシフターのフォークの複製です。この部品がないとトラクターは機能しないのですが、破損しやすくたびたび相談を受けます。ご予算の制約から溶接で対応したこともあります。でも、溶接では品質を保証できません。そのことを伝えると、「作れるならイチから作り直して欲しい」と嬉しいリクエストが返ってきました。
今回のケースは、破損した部品から形状を再現しようとすれば失敗します。それは木を見て森を見ずってヤツで、正しいアプローチはミッション全体の位置関係を把握すること。また、量産品と単品では製造手法が変わります。量産品は材料コストを重視した形状で製造されますが、単品では材料コストは二の次で、加工時間を短縮するために切削量の少ない形状を考えます。つまり、元の部品の形状は無視して、機能を満たすシンプルな形状を新たに設計することが肝要なんです! 最後に材質はどう選択するか。ここは秘伝のノウハウなので、将来ロブストスに修行に来た若者たちには教えますが、このコラムでは秘密です(笑)。
協力工場と加工条件を相談しながら何度も図面を精査して、加工もバッチリ仕上がったので、このT725が限界を迎えるより前にロブストス製の新しいフォークが破損することはないでしょう。今年も大胆に挑戦して技術を磨き、いつか世代を超えて感動を伝えられる活動をしていけるように。ということで! 今月も一丁あがり~~~♪♪♪
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高垣達郎 タカガキタツロウ
株式会社ロブストス
代表取締役社長
1984年アメリカ生まれ、東京都大田区の町工場街で育つ。2011年に(株)ロブストスを創業し、農林水産業機械のワンオフ対応を軸に、独自のサービスを構築。A-1グランプリ2011グランプリを受賞。群馬県を拠点に、機械メーカー・ディーラー・農協・農業生産法人など、全国的に取引を拡大している。
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