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イベントレポート

世界のトウガラシ村で日本人が特別表彰


そこで2010年に「内藤とうがらしプロジェクト」に着手。農研機構・次世代作物開発研究センターから八房系の種子を譲ってもらって増殖し、苗木にして普及してきた。その後の活動については本誌でたびたび紹介してきたので、改めて知りたい読者はぜひ読み返してもらいたい。

固有のトウガラシを大切にする文化

内藤とうがらしで地域開発をしてきた成田さんは、中世以来トウガラシを作り続け、その産業化に成功したエスプレット村に興味を持った。同村のトウガラシは大航海時代にコロンブスとともに航海していた乗船員が故郷のバスクに持ち帰ったもの。それを改良した「エスプレット・トウガラシ」は特徴として形状がピーマンのようで、肉厚で垂れ下がっている。内藤とうがらしと比べると辛みが弱い。同館で登壇した学生によると、「調味料であるとともに一つの食材として認知されている」そうで、トウガラシを酢漬けにして食べたりするという。
同村では毎年10月最後の土日になるとその収穫祭が開かれ、毎回2万人以上が来場する。成田さんはその収穫祭に合わせ、「内藤とうがらしプロジェクト」に関わる学習院女子大学や桜美林大学の先生や学生、新宿区役所の職員らと遠征することにした。
収穫祭はエスプレット村のほか、同じくトウガラシの産地である周囲の10の村と合同で行なう。成田さんにとって印象的だったのは、会場の出店場所で農家ごとにトウガラシを粉末にした商品を出品していること。それぞれ微妙に味が異なるそうで、手前味噌ならぬ手前トウガラシである。内藤とうがらしが練馬や小平の農家らから集めてブレンドし、商品化するのとは異なっている。
加えて地元民は飲食品には何にでもそれをかけるそう。報告会で学習院女子大学の生徒は「ワインにも振りかけるんです」と話した。学生らはワークショップにも参加し、日本でのトウガラシの加工法として七味を口上を述べながら紹介したところ、地元の人たちに受けたという。「向こうは一味しかないので、ほかの薬味を混ぜることを面白がってくれた」。
ところで現地の展示所で販売されている商品を見ていると、いずれのふたにも「A.O.P(原産地名称保護)」の認証マークが記されているという。村で生産されたトウガラシが原料であることや統一の品種を使っていることなどを保証するものだ。成田さんによると、こうした品質の担保まで含めて地元の農家でつくる生産組合が請け負っている。

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