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今年の市場相場を読む

野菜相場が周年低迷した2019年の事情 ジャガイモ類/タマネギ/ゴボウ/カボチャ

2019年は台風被害や大雨などの自然災害が多かった。台風19号は関東地方を中心に被害をもたらしたが、首都圏の最大の野菜産地といわれる千葉が暴風雨や洪水で被災し、秋以降の不足が危惧される事態となっていた。しかし、1年を経過してみると、東京市場の野菜相場は周年にわたって平年をことごとく下回る未曽有の結果となった。千葉が報道されたような被害を被っていれば、年後半は品薄で相場は高騰するだろうという観測がもっぱら。しかし、実際には東京市場は秋以降に入荷が潤沢で、相場が低迷した。11~12月に向かってとりわけ不思議な相場低迷ぶりをみせた品目を分析してみよう。

ジャガイモ類 九州産の切り上がり早く静岡産が補完、増加一途の北海道産が相場低迷を誘導

【概況】
東京市場における19年のジャガイモ類の入荷は、前年の18年に比べ数量で4%増、単価は5%安くなった。この程度の増減、高安は“入荷動向としてはほぼ変わらない”という範囲である。ただし、それほど極端な相場の上下はなかった18年に比べると、19年は年明けには安めだった単価が4月から入荷量は前年比で増加気味だったにもかかわらず、キロ132円と高くなり、7月に至ると173円と暴騰した。
【背景】
経過を見ると、まず6月が前年より2割も入荷減だったにもかかわらず、7月は6月よりさらに3割以上の入荷減だったことが直接的な原因である。産地側は、この7月の高騰に敏感に反応し、8月には2割も入荷を増やした。さすがに急増すれば単価は下がるが、まだ124円と相場を支えていた。しかし、9月以降も入荷は増え続け、年末まで一本調子に相場は暴落の一途をたどってついに11月、12月に前年比2割増え、単価は87円にまで落ちた。
【今後の対応】
7月の173円は、6月に長崎産残量が前年より2割少なく、静岡産が前進出荷で前年比3割増。その影響で7月には主力の静岡産が3割も減って暴騰した。19年の北海道産は多かった。8月は26%多くてもキロ124円だったが、入荷増基調は変わらず、11月には21%増で89円に、12月は同様に2割以上増で87円となった。1年を通してみると、静岡産が高値要因を作ったが、肝心の北海道産が例年にも増して出荷量が多かったことで相殺された感じである。

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