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今年の市場相場を読む

野菜相場が周年低迷した2019年の事情 ジャガイモ類/タマネギ/ゴボウ/カボチャ


タマネギ 5月に道産なく安い近郊物で相場安、野菜全体の安値推移に家庭需要減り

【概況】
東京市場における19年のタマネギは、年間を通せば数量3%減で5%安。いわゆる前年並みというところだが、年明けから春までは高く、2月などはキロ154円。しかし、5月には一気に100円を切って87円、以降、入荷量は月ごとに増減はあったが、相場はいわゆる“安値安定”してしまった。12月は入荷量が減っても77円と暴落商状だ。2月に高かったのは、8割を占めてきた主産地北海道が2割近く減ったから。
【背景】
それが一転して5月から年内いっぱい80円を上下する相場推移となったのは、5月時点の主力の長崎産は順調な入荷だったが、業務用から引きが強い北海道産の残量が少なく、その対応で、千葉産など関東の中小産地や中国、ニュージーランドなど輸入品もあって相場を下げたから。タマネギは貯蔵性の高い品目であり、相場を見ながら出荷調整することが可能。よほどの理由がない限り暴落しないが、19年のように暖冬気味の場合、発芽の危険性が出荷促進になる。
【今後の対応】
12月の暴落基調は、ほぼ北海道産で間に合う時期であっても、佐賀産が早く出てきてしまったり、中国産も入荷したりしている。北海道産の新物は19年の場合、10月以降増えており、春から落ちていた相場を回復させるだけの材料がないこと。さらに、野菜類が全般的に安値推移で、家庭需要としてタマネギを積極的に買う必然性がない。台風や大雨のダメージで千葉など関東産地が、秋から冬は少ないだろう、というタマネギの供給側の憶測も外れた。

ゴボウ 熊本産増えて軟調も春物販促にも、年末にかけての相場の流れ見誤る

【概況】
東京市場の19年のゴボウは、年間ベースでは13%増え、単価は2割下がった。この数字には意味がありそうだ。19年はまず4~5月にかけて入荷が増えて単価が下がった。9月には急増して単価を落とすが、ゴボウの需要期でもある年末に向けての時期に供給量は増えていくが相場が支え切れず、11月にはキロ168円、12月には202円と、前年より35%前後安くなる。年間トータルの数字が意味ありげというのはそこらへんの事情があるから。
【背景】
4~5月に増えるのは主に九州産地の春ゴボウのシーズンのためで、19年については熊本産が前年の23%の入荷増で一躍、春ゴボウのトップ産地になった。これは増入荷の単価安でも、“春ゴボウ普及”という観点からは悪くない現象である。9月から増えるのは、主に主産地の青森の新物が出荷されてくるからだ。単価が下がるのは自然だが、11~12月にさらに下げてしまうのは不自然である。19年は、青森は前年を上回るペースで出荷していたためか。

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