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スマート・テロワール通信

地域の未来像がひと目でわかる絵

庄内スマート・テロワール(庄内自給圏)推進協議会が2019年11月、庄内地域の未来像を表わす絵「庄内スマート・テロワールが目指す美しい未来」を発表した。庄内地域の人々にひと目でスマート・テロワールを伝えるために作成したものだ。
右側には日本の食料と農業の問題を数字で示し、左側には生産から加工、小売、消費までのフードチェーンと、牧畜・畑作・稲作のゾーニング、耕畜連携による物質循環を描いた。

食べる人も関わっていることを伝えていく

制作は松本典子さん、イラストレーターの伊藤しおりさん、デザイナーの宮城妙さんの3人によるものだ。3人は19年夏から山形大学農学部と打ち合わせを始め、スマート・テロワールの全体像を学びながら、どうしたら地域の人々にひと目で伝えることができるか話し合いを重ねた。ディレクター兼コピーライター役を務めた松本さんは、絵のコンセプトを次のように語った。
「このプロジェクトがうまく回っていったらどうなるのかという未来像を見せることで、プロジェクトの意義や魅力が食べる人の心に伝わるのではないかと考えた。とくに食べる人がメンバーの一員として参加することで、この絵にあるような未来をつくっていけるのだと表現したかった。また具体的な数字も入れることによってプロジェクトに取り組む説得力を持たせた」
イラストレーターとして個々のイラストを作成した伊藤さんは、一つのポスター(絵)をつくる過程がスマート・テロワールを構築する過程に通じると感じたという。
「ただイラストを描けばいいのではなく、制作の3人がスムースに連携することが大変だったが、それが大切なことだった。おそらくスマート・テロワールも連携することが難しいが重要なのだと思う。これからも一消費者としてこの輪の中に関わっていきたい」
2人はこの絵を通じて食べる人自身も関わることだと多くの人に伝えたいと話す。推進協議会では今後この絵を大いに活用していく予定だ。

次世代に継承できる中山間地のモデルをみんなで創っていく

庄内地域には米どころで有名な庄内平野もあれば、絵に描かれているような山間部もある。庄内平野は、西は日本海に面しているが、東は出羽山地、北は鳥海山、南は朝日山地という山々に囲まれている。出羽山地には日本遺産に登録された「出羽三山」と総称される月山、羽黒山、湯殿山が連なり、平野から山頂に向かうにつれ勾配も大きくなっていく。庄内全体で約3万6000haという水田のなかには傾斜地の法面の大きな水田もあり、耕作放棄地は田畑合わせて1300ha以上になる。

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