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さあ、当時日本で一番背が高い管制塔の成田国際飛行場だ。しっかり見ていただこうと思ったが、受付嬢から「先生はこれから1時間休憩になります」と、なんとも無情な答えが返って来た。仕方がないのでヘトヘトの体で1時間待つことになった。時折カーテンから「きゃっ、キャっ」と笑いを我慢しているような声が漏れ聞こえてくるのだ。内容からして、どーもあのドラえもんを見て楽しんでいるのだろうと思った。それにしても笑い方に品がなく、声も若い感じがした。
1時間が過ぎ、診察が始まった。先ほどから漏れ聞こえて来たカーテンが開かれ、出てきたのは20代後半の医師だった。あのキモイ笑い声の持ち主はお前か?
目の前に現れた時は威厳を醸し出しながら診断を始めた。その時間、1分。「風邪ですね」「えっ?薬は?」と聞いた。若い医師は「休めば治りますよ」。はい、8500円なり。ふざけんな! 東邦医大の派遣医師めがっっ。しかし、確認すると当時の成田の医務室は日本医科大学となっている。でも東邦医大だったような気がするのだが。
急遽、成田で1泊して翌日北海道に帰ることにした。自宅に帰ると何もなかったかのようにいつもの調子に戻った。その日は2月28日で、父が立候補していた長沼町町議選挙があり、その日の夜には338票を取り、当選した。やはり金の力はすごい!と思い知らされた。
まさかの余命宣告か
そういえば、航空身体検査は毎年受けているが、人間ドックに行ったことがなかった。SARSも気になったので、9月3日に今はなき人間ドック専門の札幌のダイヤモンドクリニックに行った。その場で右肺に白い影があるので専門医に診てもらったほうが良いと言われ、当時の南1条病院を紹介された。
後からトンデモナイことになるとは知らずに1カ月以上たってから南1条病院に行った。CTを取り画像を見た○田先生は、「右上部肺に直径3cmの腫瘍のような物がありますね、現在のこの状況だと5年で50%、10年で10%です」となったが、「とりあえず肺の生体検査をします」ということになった。ドイツ・ハノーバーに行くことになっていたので、検査は翌月11月21日に口からゲホゲホ言いながら差し込まれた。
正式な検査結果は数日待つことになったが、手術室の外では家族が待っていた。先生は家族に「炎症ですね。腫瘍ではありません」。もちろん家族は涙して……ということはなかったそうだ。そうです。このような場合は本人よりも手術室の外で待機している家族に真実が告げられるのです。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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