ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

イベントレポート

厚木市初のソーラーシェアリング

神奈川県の丹沢山麓南東部、厚木市飯山地区は、相模川の支流である小鮎川沿いに田んぼが広がっている。1月11日、今は稲の刈り株だけが残る田んぼのあちこちに、どんど焼きで焚かれる正月飾りなどが積み上げられていた。これから団子を焼いて食べ、無病息災を願うのだろう。
同じ11日、川筋からちょっと上った場所にある畑で、あつぎ市民発電所(一般社団法人、理事長:遠藤睦子さん)の通電式が開かれた。周辺は住宅と畑地が点在する。テープカットは1月11日11時11分11秒の1並び(多少はズレたらしい)。月は違うが「3・11」と同じ日付を選んだのかもしれない。
式参加者の間からは「このあと、どんど焼きに行く」といった声も聞こえてきた。「市民電力」に賛同する人たちの横顔を垣間見た気がする。

売電先として新電力を選択

市民レベルで環境問題の解決をめざすグループが、厚木市内には数団体ある。横の連携を求めて「あつぎ環境ネットワーク」が立ち上げられたのは2018年。グループ共通のテーマとして「太陽光を中心とした再生可能エネルギーの普及・啓発」が掲げられる。市民発電所計画はこうして始まった。
農水省が発表したソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の許可件数(稼働件数とは異なる)は、18年3月末時点で1905件にのぼる。このうち神奈川県は26件。千葉312件、群馬214件、静岡210件のトップ3と比べると、隔たりは大きい。
神奈川県では西部の小田原市周辺を中心に、ソーラーシェアリングの導入が16年ごろから始まった。栽培作物は、ホンサカキが件数にして3分の2を占める。あつぎ市民発電所は、ミカンや酒米の栽培を通して地域おこしに取り組むF&Eあしがら金太郎電力(小田原かなごてファーム)ともネットワークを組んだ。
今回通電を開始した発電施設の設置面積は385平方m、パネル数120W×219枚。パワコン出力19.8kW。費用総額は約700万円。FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取)は18円/kWh。売電収入は年間約60万円を見込んでいる。
販売先は、特定卸供給という仕組みを使って新電力小売りのひとつ「みんな電力(株)」を選択した。この仕組みでは、あつぎ市民発電所のような特定の発電事業者を指定して消費者が電気を買うことができる。

関連記事

powered by weblio