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食品表示に関しては、主に食品表示基準でルールが規定されている。同基準は20年3月まで経過措置(猶予)期間が設定されていたが、20年4月から全面適用となり、監視も強化されることが見込まれている。
こうした中、アレルゲン表示が厳しく監視されるようになり、22年3月まで経過措置期間となっている加工食品の原料原産地表示義務化に関連して、農業分野に対する原料食材のトレーサビリティや原産地証明の発行要請も強まることが予想される。適正に表示されていれば懸念する必要はないが、これまでの傾向として、観光地や道の駅などにおける販売品に対する監視強化や、食品表示に関するクレーマーの増加にも考慮すべきである。
また、今後はインバウンドの増加を見込んだ英語表示の導入も考慮すべきであるが、現在食品表示に関する公的な英訳が十分示されていない状況である。(一社)食品表示検定協会のHPにおいて、我が国の食品表示ルールの概要についての英訳版をアップする予定である。
【これからの食材・食品のリスクマネジメント】
(1)儲けにつながるリスクマネジメント
GAPやHACCPの導入は、必ずしも儲けにつながるものではないが、儲かっているところは導入しているところが多いことも事実である。儲かっているところは、商品管理や品質管理等とともに安全性確保のための管理(マネジメント)も有機的に連携させて「データ管理」がなされていることが多く、さらに、フィードバックにより積極的なデータ活用までされている。形式的なマネジメントではなくこうした実効ある活用をすべきである。
(2)HACCP制度化との連携
フードチェーンの川下である食品企業ではHACCPの制度化が進められており、そこへの食材供給に際しては、同じ工程管理方式であるGAPなどを導入している生産者や組織からの調達ニーズが高まることが予想される。
(3)「表示」から「情報」への意識転換
今後の食品表示制度への対策は、今年3月末公表の「消費者基本計画」を参考にしてほしい。食品表示の代替または補足手段として、今後はWebの活用の検討が進められることになる。食品関連事業者は、「表示」から「情報」というより広い視点を持ち、Webなどの媒体を活用する環境整備の準備を図っていくことが求められる。
(4)トレーサビリティの活用と消費者ニーズの把握
フードチェーン全体での的確なリスクマネジメントの必要性を背景に、今後「情報」も含めたトレーサビリティの実行が求められる。
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