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特集

農業リスクマネジメント~国境なき時代の新たなリスク対応~



オーバーツーリズムのリスクマネジメント 看板で、観光客とコミュニケーション 美瑛畑看板プロジェクト「ブラウマンの空庭。」

大西智貴(おおにし・ともき)
1984年、北海道美瑛町生まれ。会社勤務を経て実家で農業を始め、今年11年目。現在、両親と3人で、小麦、ジャガイモ、てん菜、黒大豆を生産。経営面積38ha。美瑛畑看板プロジェクトや「ブラウマンの空庭。」プロジェクトで中心的な役割を担っている。

中西敏貴(なかにし・としき)
1971年、大阪生まれ。写真家。2012年、撮影拠点である美瑛町へ移住し、農の風景をモチーフに作品制作を続けてきた。「ブラウマンの空庭。」プロジェクトなど、農業と観光の共存を目指す活動に積極的に取り組み、その体験を各地で講演している。

北海道美瑛町の「美瑛の丘」は、その美しい農村風景で国内外にその名が知れわたっている。しかし、観光客が増えるにつれ、農地への立ち入りによる病虫害の持ち込みのリスクが高まった。2019年、美瑛の農業者らが農業の誇りを伝える看板を設置する活動を始めた。

【畑に入ってほしくない】

美瑛町で農業を営む大西智貴氏(35)は、11年前に勤めていた会社を辞め美瑛町の実家に戻ると、観光客が多いことに驚いた。ここ5年ほどは外国人訪日客も増え、写真を撮るために畑に入る人が後を絶たない。道と勘違いしているのか、畑の中の作物と作物の間の狭いスペースを歩き回る。誰か一人が入ると、それを見た人が後に続き収拾がつかない。
「畑に入ってほしくない」
ジャガイモや小麦を生産している大西氏がいちばん恐れているのは、隣町まで迫っているジャガイモシストセンチュウや、近年、広まりつつある小麦なまぐさ黒穂病が農地に持ち込まれることだ。カビが病原菌である小麦なまぐさ黒穂病は、伝染経路が種子なのか土壌なのかはっきりとわかっていない。発生した場合、その年は廃耕して収穫できなくなり、その後3年間は小麦を生産できない。
「どこから入ってくるかわからないから不安だ。もし、自分の畑で出たらデメリットが大きい」

【農業者の思いを伝える看板を設置】

美瑛町では、これまで多言語で記した「農地進入禁止」の看板を立てて対策してきた。しかし、畑に入る人は後を絶たない。農業者たちの不安は募り、なかには観光客が病原菌のように思えてしまい拒絶する人も現れるようになった。
「この状況を変えたい」

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