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江刺の稲

衆院予算委でラウンドアップが話題に

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第285回 2020年03月30日

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立憲民主党の宮川伸議員が2月25日に衆議院予算委員会第六分科会でグリホサート(ラウンドアップ)の安全性を問題視する質問をした。
宮川議員は質問の最初に、乾燥した冷涼な気候と放牧や畑作が中心の英国を対照させて我が国とのha当たりの農薬使用量を農水省に答えさせる。農業環境の違いを無視して敢えて我が国と比較させて日本が英国の3倍以上のha当たり農薬散布量があることを農水省に語らせる。そのうえで、まさにデトックス・プロジェクト・ジャパンの面々の主張を下敷きにしてラウンドアップに関する不安を煽る。さらには、医薬品の生体による検査をしているのに農薬では試験の対象とされるげっ歯類だけでは安全性が確保できないのではないかと農薬の検査手法そのものにまで疑問を呈する。しかし、医薬品の場合は副作用の存在を前提としてその副作用のレベルが治療効果と秤にかけて有効性をチェックする試験である。これに対して農薬の承認に必要な試験は、生体に何の影響もない量を調べること。農薬の場合には生体や環境に対して何らかの障害がある場合にはそもそも承認されないのである。医薬のように副作用があっても治療効果があれば承認されることがあるのとは全く異なる基準なのだということを無視した質問なのである。そして、IARCの発がん性に関する報告や米国での裁判あるいはEU諸国でのラウンドアップに対する使用規制の流れなどを紹介し、江藤拓農林水産大臣に対して「ラウンドアップを安全と言えるか」と問う。この一連の質問自体がラウンドアップに対して国民の不安を煽るための印象操作というべきである。しかし、江藤大臣が、宮川議員の質問に対して「有機農業がベストである」などと発言しているのは問題だとも感じた。

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