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齊藤義崇の令和の乾田直播レポート

雪国直播サミット編~雪国の乾直人の熱意で雪を融かし、いざ春を迎えるイベント~

去る1月27日に『第12回雪国直播サミット』が北海道札幌市で開催された。参加者は農業者のほか、農業機械や農薬などのメーカー・卸の関係者、研究機関や行政の担当者など150名を超え、史上最高となる出席者を記録した。なかでも東北、関東、東海、中国、遠くは九州地方からも参加者があり、乾田直播に対する関心の大きさも最大級だった。

襟を正して真面目な勉強会基礎編は午前から満員御礼

12回目となるサミット開催を前に実行委員会では、イベント性を重視してきた運営方法を改めて、基本に立ち返って勉強する企画を立てた。メインテーマは「襟を正して真面目に乾直」である。久しぶりに10時から午前の部の勉強会を開始し、道内の乾田直播の基本となる栽培方法を3名の講師が解説した。
実践者として登壇したのは、むかわ町の辻野寛幸氏と、妹背牛町の辻村靖氏だ。辻野氏は栽培方法からプライベートまで、幅広いネタを会場に提供した。就農時から抱いていた農業に対する疑問、乾田直播に挑戦し始めた頃からの苦労話、乾田直播技術を活かした今後の経営の展望を力説した。直播の魅力と独自の世界観は参加者を引きつけ、彼の熱意は明らかに会場全体に届いていた。
一方の辻村氏は、論理立てて自己の経験に基づく乾田直播栽培のポイントについて、詳細に解説した。これまでに取り組んできた乾田直播の作業や稲の生育状況について記録したデータ、写真、映像等の記録は研究者も脱帽するレベルといえよう。編集した映像は、動画サイトのYouTubeに公開しており、乾直業界では注目の“ユーチューバー”である。わかりやすい、見やすい、理解しやすい講習となった。
3人目の講師は、スガノ農機(株)上富良野営業所長の佐藤準士氏。乾田直播の手引きを元に、栽培の基本的な注意点を解説した。図解と写真を中心に、用いる作業機の使い方から播種前の土づくり、発芽からの生育状況の見方、管理方法などの要点を分かりやすく伝えた。講師陣としてデビューして以来、営業経験を積み重ね、講演のスキルは確実に向上している。会場からの質問にも明快に答え、いまや土づくりに関する相談員のエースになったといえよう。
終わってみれば、情熱と理論と導入論が三拍子揃ったキチンとした勉強会は、午前の開催にも関わらず100席用意した椅子は満員御礼で、実行委員会の一員としても最良の企画になったと自負している(笑)。

実践者によるリアルな報告2名の去年の戦績は?

午後の部は、実行委員長の新田愼太郎氏と、協賛する北海道土を考える会の田村裕良会長の挨拶で開会した。引き続き“真面目にお勉強”をテーマに講演が繰り広げられた。
一人目の登壇者は南幌町の山口達矢氏。穀類を中心に約70 haを栽培する個人では大規模の農家である。輪作を基本にしながら、乾田直播に挑戦し、昨年は小豆の狭畦栽培(間隔の狭い豆類の栽培法)にも挑戦した。大規模経営のメリットを活かし、予算を考えて大胆に実行する研究家であり実践家だ。昨年の戦果はまずまずで、飼料用米用の新しい多収品種「そらゆたか」で平均収量は630kg/10a(屑込)とのこと。品種選定や秋の熟期の見極め方など、南空知地域特有の積算温度の低い気象条件下での乾田直播の取り組みを丁寧に解説してくれた。

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