ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

アルパカファームの経営・労務事件簿

新規就農者への生活支援

隣の畑に新規就農者がやってくる。どうやら自然農法を試みるらしい。藤田社長も応援する気にはなっているが……。
藤田 来年度から隣の農地に誰か新規就農するって話は聞いた?
千代 あ、地主さんが言ってました。若い方が来るみたいですね。20代後半だとか。自然農法を試みようとしているみたいですよ。
藤田 そうなんだ。初めはうちも周りの農家さんから無農薬栽培にかなり反対されたし嫌がられた。きっとその人も苦労するんだろうな。
千代 だからこそ隣の農地を借りたみたいですよ! どうやら、以前マルシェでうちの野菜を買って名前を覚えていてくれたようで。農薬不使用の農地の隣なら自然農法もやりやすいって考えたんじゃないでしょうか。
藤田 覚えていてくれたことは嬉しいけど、どうかなあ。うちもかなり
初めは土の状態に苦労したしね。結局動物性の肥料をかなり入れないとダメだったし、納得いく状態に至るまで5年以上かかったからね。この地域で自然農法は、かなり我慢強くないと難しいと思うけどな。
千代 でも我慢して年月を重ねていけば、どうにかなる可能性もありますよね。まだ若いみたいだし、石の上にも3年、みたいな。
藤田 3年どころじゃないだろうね。それに、本人だけが我慢すればいいわけじゃないんだよ。経済的な面で家族や周りの人に迷惑をかけるかもしれないし、収量が安定しなければ取引先もつかないし。
千代 経済面ですね。確かに根性論じゃどうにもならないですね。
藤田 うまく農業次世代人材投資資金とか補助金を活用すればどうにかなるのかなあ。
千代 以前の青年就農給付金ですね。私も当時受給しようか悩んでいました。
藤田 ただ、給付を受けるには経営計画を明確にする必要があったり、計画どおりにできているのか立ち会い調査があったり、簡単なものではない。それに、受給期間中はいいけど、受給が終わったり枠組みから外れたりすると、経営していけなくなるケースも多く生まれているんだ。給付金に甘んじている状態になりがちな印象があるんだよね。
千代 そういうイメージは確かにありますね。たしか藤田社長も青年就農給付金受けていましたよね。
藤田 うん。だからこそ生半可な気持ちでは受けない方がいい。僕も最初は覚悟が足りなかったから、散々だった。まさか5年間も土が良くならないとは思ってもいなかったからね。もちろん経済面では給付金に助けられたけど、その分、甘さも生まれたと思う。まあ、僕の意志が弱かっただけなのかもしれないけどね。

関連記事

powered by weblio