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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
イギリス(1) 欧州で最初に栽培を解禁しヘンプ産業の黎明期を支えた国
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第28回 2020年03月30日
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山岳地が少なく、国土の約7割を農用地面積が占めるイギリス。農業の労働人口は2%以下だが、食料自給率は70%を超えている。これは二度の世界大戦で深刻な食料不足に陥った経験から、食料自給の重要性を認識し、自給率を高める政策を推進したからである。
同国では、ヘンプは紀元前800年頃にアジアからもたらされたとされている。最も古い記録は、ケルト王女が女性にヘンプを縫い織りすることを教えたというものだ。ヘンプの栽培と利用の全盛期は、エリザベス朝時代(約1550~1600年)以降、19世紀半ばまで続いた。この期間は、大英帝国が勢力拡大のために海軍や商用船にヘンプを多く用いていた時代で、船の帆や船具、ロープ(縄)、貨物を運ぶためのサック、船員の服など、用途はさまざまだった。
ヘンプの軍需と貿易への貢献度が高かったため、原料供給にも国家的な力が及んでいた。ヘンリー8世の治政下では、農場に60エーカー(約24.3ha)当たり4分の1の15エーカー(約6ha)でヘンプを作付けすることが強制された。当時のヘンプの栽培地域は、イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズのすべての地域に渡っていた。
ちなみに、ヘンプ(hemp)という言葉は、ケルト語とアングロ・サクソン語(古い英語)に由来する。ドイツ語の「ハンフ(hanf)」、スウェーデン語の「ハンパ(hampa)」、デンマーク語とノルウェー語の「ハンプ(hamp)」はその派生語である。イングランドの南部にあるハンプシャー(Hampshire)という町には、英海軍の拠点のポーツマス軍港があり、ヘンプとの結びつきが地名に反映されている。
ほかの西欧諸国と同じく、19世紀の帆船から蒸気船への変化はヘンプの需要減少をもたらした。さらに、植民地でのコットン(綿花)の普及が追い打ちをかけ、ニッチな衣料品市場(軍服や作業服)やキャンバス生地などの屋外用品、室内装飾品を含むその他の耐摩耗性のある繊維市場のみに縮小した。
ヘンプの軍需と貿易への貢献度が高かったため、原料供給にも国家的な力が及んでいた。ヘンリー8世の治政下では、農場に60エーカー(約24.3ha)当たり4分の1の15エーカー(約6ha)でヘンプを作付けすることが強制された。当時のヘンプの栽培地域は、イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズのすべての地域に渡っていた。
ちなみに、ヘンプ(hemp)という言葉は、ケルト語とアングロ・サクソン語(古い英語)に由来する。ドイツ語の「ハンフ(hanf)」、スウェーデン語の「ハンパ(hampa)」、デンマーク語とノルウェー語の「ハンプ(hamp)」はその派生語である。イングランドの南部にあるハンプシャー(Hampshire)という町には、英海軍の拠点のポーツマス軍港があり、ヘンプとの結びつきが地名に反映されている。
先駆的企業が開拓した欧州初の栽培解禁
ほかの西欧諸国と同じく、19世紀の帆船から蒸気船への変化はヘンプの需要減少をもたらした。さらに、植民地でのコットン(綿花)の普及が追い打ちをかけ、ニッチな衣料品市場(軍服や作業服)やキャンバス生地などの屋外用品、室内装飾品を含むその他の耐摩耗性のある繊維市場のみに縮小した。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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