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今年の市場相場を読む

19年の輸入野菜の不思議な増減品目 ジャガイモ/ナガイモ/トマト/セロリ

2019年は台風被害や大雨などの自然災害が多く、被害が大きかった千葉県を中心とする秋以降の関東産の野菜不足が危惧されたが、東京市場の野菜相場は周年にわたって平年をことごとく下回った。国産が潤沢で相場が低迷するときには輸入野菜が減る。それでも絶対数量は合計278万tというボリュームだ。全体の減少傾向は当然だとしても、個々の品目に追っていくと、その減り方が異常だったり、逆に前年よりも増えたり、不思議な増減現象を見せる品目がある。
多くの場合、前年が減っていた、増えていたという単純な理由だが、その背景を知って推移を見守らないといけないケースもある。

ジャガイモ 生鮮品の輸入が1割近く増えたのは5~6月の国産原料の端境期で顕著

【概況】
東京市場における19年のジャガイモ類の入荷は、前年の18年に比べると数量で4%増えて単価は5%程度のやや高。一方、生鮮ジャガイモ(加工用)の輸入は前年より9%も増えた。この数字は意味がありそうだ。ひとつは17年に国産原料が足りなくて大騒動になって輸入が急増した分、鎮静した18年は17年に比べて3割減っていた。17年の特徴は、本来なら国産が潤沢で輸入が数tしかないはずの1月に5300tもの輸入があったことだ。
【背景】
ちょっと意外に思うが、17年は量こそ少ないものの、中国産が周年にわたって輸入されていた。通常の食用は植防上で輸入できなくても、加工用としてなら、到着後は密閉状態で移動させるという条件付きで米国産を解禁したが、同様の条件下で中国産もということか。だたし、輸入単価も米国産の2倍以上するから、米国産のマーケットを横取りしたいわけではなさそうだが、種イモの可能性はある。以降、中国産は19年の4月以降実績がゼロの不思議。
【今後の対応】
19年に輸入がとくに増えたのが4~5月である。青果用でもこのころは北海道産の残量が少なくなる時期で、出始める静岡産の男爵薯も単価が高い。加工用は一般のマーケットから当用買いすることはほぼないし、この時期は貯蔵品が発芽する時期でもあり、加工用にも同様の事情があるだろう。カルビーとしての加工用の輸入対応は、国産原料調達を減らさない範囲でというのが原則だが、この時期のリスクを考えると輸入拡大は想定できる。

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