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【今後起こり得ること(3)内食疲れ・内食飽きでごちそうニーズが小爆発】
筆者は、非常事態宣言以降、外出やいわゆる「三つの密」を抑制する状況は、2年程度続くのではないかと予想している。ワクチンを開発して実用化するまでに最低でも1年半程度必要と言われているからである。しかし、何らかの解決あるいは心配の緩和がより早くあるにせよ、短くともこの異常事態は半年は続くだろう。
その場合、まず外食という食行動は長期にわたって限定的である。また、中食も長期にわたれば消費者のコスト負担が重くなる。まして、所得減も予想せざるを得ない状況だけに、たとえ1食500円でも毎食続けられるだろうか。長期になればなるほど、外食と中食は減り、家庭で調理をして食事を用意することが増えていくだろう。
しかし、現代の消費者が果たしてそれに耐えられるかどうか。今日の日本は、1970年代から半世紀にわたって食の外部化(外食と中食)を伸張させてきた社会である。外食の味と楽しみを子供の頃から味わってきた人々でできている社会だ。
いずれ、数カ月のうちに、家庭では味わえないものを求める動きは出てくるだろう。つまり、ごちそうニーズがあちこちで小爆発を起こすイメージだ。
その場合も、外食はしづらい状況が続くだろうから、中食でごちそう感のあるものが求められるだろう。それは動物性タンパク質を主要食材としたもの、すなわち肉料理か、魚介であればすしである。そうした食事に、野菜などの農産物はどう食い込めるかの工夫は必要だろう。
一方、もしもという話だが、アウトドアが「三つの密」に当たらないという認識が許容されるようになれば、バーベキューやキャンプなどでの発散がブームになるかもしれない。それに合う野菜等に可能性はありそうだが、消費者の懐も寒いなか、圧倒的に安価なもやしと価格面で比較される覚悟は必要だろう。
また、その先の冬季、家で家族で過ごすクリスマスに合う商品も考えておくべきだろう。そして、耐えに耐えた先に迎える2021年の正月、そのおせちはおそらく近年にないレベルで珍しさや豪華さが求められるかもしれない。
【今後起こり得ること(4)看過できないおまじない需要】
古来、未知の病気に対しては各種の民間療法やまじないが伝えられてきた。文明化された今日も、行政や識者が止めても、そうした動きはなかなか止まらないだろう。もちろん、偽薬や詐欺などに対しては厳しく当たるべきだが、罪のないタイプのおまじない需要というものはあり得る。たとえば、3月の東京大田市場の統計では、贈答向けが多い国産果実需要が冷え込むなかで、柑橘類とキウイが強含みという動きがあった。一概には言えないが、これらがビタミンCを含むなどで風邪等の予防にと買われた動きがあったかもしれない。
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