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【1月以降の日本の野菜の輸入状況】
農林水産省「野菜をめぐる情勢」によると、2016年の野菜の需給構造は国内生産量が80%程度に対して、輸入量は20%。また輸入量のうち生鮮品は28%であった。輸入されている主要な生鮮野菜はタマネギ、カボチャ、ニンジン、ネギ、ゴボウと続く。カボチャを除き、中国がそれぞれ90%程度のシェアを持つ。
それでは、コロナウイルス感染確認後である1月以降の野菜の輸入状況はどのようになっているのだろうか。財務省貿易統計と農林水産省植物検疫所の検査実績をもとに主要輸入品目を中心に状況を確認する。
■タマネギ
生鮮、冷凍、皮むき処理など一次加工品を合わせたタマネギの1月輸入量は2万330tで前年同月比76%。2月に入ると、中国からの輸入量が減少し、1万6160t(前年同月比63%)とさらに減少した。
加工タマネギについては2月第2週に一時、前年同月から9割近く減少し、2月下旬から徐々に回復したものの、2月、3月ともに前年比60%程度に減少している。
生食用タマネギも同様に、1月の中国からの輸入量が4150tであったのに対して、2月に入ると前月からさらに減少し2370t。前年同月比44%にとどまる。3月も2399tで大きな回復は見られない。2月、3月の輸入総量を見ても、加工及び生鮮タマネギの輸入量は依然低迷を続ける(参照:図1)。
中国からのタマネギ輸入の落ち込みは、2月に入りコロナウイルスの感染拡大による移動制限などにより、収穫・流通が滞ったことや加工工場での操業が一時停止していたことが主要因であるが、それだけではない。19年、タマネギの産出国であり輸出国でもあるインドが洪水により減収し、国内需要を満たすため輸出禁止となり、インドから輸入していた国々が中国やエジプトへ切り替えた。そのため中国では昨年の輸出が好調で、タマネギの貯蔵分が不足しており、今年は、需要が供給を上回り中国産のタマネギ自体も不足している。
■カボチャ
カボチャの輸入は90%以上が生鮮で、ほぼメキシコとニュージーランドから輸入しており、一部冷凍日本カボチャなどは、中国やベトナムなどアジアから輸入している。西洋カボチャなど生鮮の1月の輸入量は、ほぼ前年と変わらず、2月も1万7240tでむしろ前年同月より増加している。3月に入るとニュージーランドからの輸入が主となるが、ニュージーランド、メキシコともに大きな影響は出ていない。3月末時点では、コロナウイルスの影響はあまり出ていないようだ(参照:図2)。
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