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特集

激震!新型コロナウイルス 農産物緊急レポート


新型コロナウイルスは、この先、いつ収束するか、まったく見通しがつかない。日々、長期化を心配する声が強まっていく。
技能実習生の助っ人不在で作付け縮小という事態は絶対避けるべきだ。そういうことになれば農産物価格の高騰という厄介な事態も招いてしまうからだ。

コロナがコメ取引変革の引き金になる!?―凶作や自然災害とは異なる需給変動/熊野 孝文

【経験がないケース 先が見通せない不安】

コメ業界で新型コロナウイルスの影響が話題に上ったのは、今年1月に千葉市で開催された米穀業者の新年会の席であった。その新年会の主催者の一人が前日中国から帰国したばかりで、情報交換会の席で「東京オリンピックも開催できなくなるだろう」と発言した。そのときは「まさか」と思ったが、現実になってしまった。
この後、3月末までにスーパーのコメ売り場から精米がなくなってしまうという買いだめ騒動が2度発生した。過去にスーパーのコメ売り場から精米がなくなってしまうという現象は2回あった。最初は平成5年の大凶作をきっかけにコメパニックが起きた。平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、物流が混乱したことでコメに限らず様々な商品が店頭から消えた。
過去2回とも市中で取引される玄米の価格は急騰したのだが、今回はまるで様相が違っている。急騰するどころか大きく値下がりして、先物市場では新潟コシがストップ安になったほか、市中の現物取引では中間クラスの秋田あきたこまちやひとめぼれも1万4000円を割り込むという事態になってしまった。
誰もが過去に経験のない禍で、今後のことを見通せる状況ではないが、生産者や集荷業者、卸等にこの禍にどう対処し、先行きをどう見ているのか聞いてみた。

【ネットからの注文が急増 コメ業界の最初の異変】

2月26日、東京都下のホテルで、米穀業者が取引先の生産者を集めた勉強会を開催した。この勉強会は、作付前に米穀情勢などを情報交換
し、その年の方針を決めるために毎年この時期に行なわれているもので、今年は新型コロナウイルスの影響で中止されることになっていた。しかし、生産者のたっての要望で少人数で開催されることになった。開催されたホテルは外資系の大きなホテルであったが、会場に行ってみると全くひと気がなく、会場を間違ったと思い、受付で聞いてみると「ほとんどの予約がキャンセルされました」とのこと。1件だけ開催されたのがこの勉強会であった。

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