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【コロナが画期的コメ取引をもたらす可能性】
国内外の需要の大きな変化以外にも、精米袋やフレコン袋の入荷遅れ、さらには中国から輸入されているドローンがいつ入ってくるのか分からないなど、資材・農機関連でも少なからず新型コロナウイルスの影響が出ているが、反面ではこれがコメの流通・取引手法の在り方を変える可能性もある。
日本コメ市場(株)は、定期的に全国3カ所で一斉に取引会を行なっている。2月に開催予定であった取引会は新型コロナウイルスの影響で会場に会員社が参集できなくなったことから急遽FAX取引に切り替えたが、一斉同報しても会員社に届かないケースもあるなど混乱した。また、全米工も大都市圏での取引会を断念せざるを得なくなった。
これら全国団体が主催するコメの取引会だけでなく、各地で開催されている業者間席上取引会も軒並み中止か延期になっている。定期的に開催される取引会に会員社が参加することは情報交換会や会員社同士の絆を強めることなど意義あることだが、会員社が参加できないという異常というべき事態では、FAX取引という一時代前の取引手法ではなく、時代に合わせた革新的取引が行なえるようにする良いきっかけにもなる。
全米工では1年前から事務局に新型の穀粒判別器を導入、取引会場に持ち込まれた原料米を画像判別してデータ化、そのデータと実際に取引が成約した価格との相関関係を情報蓄積している。その結果、画像データ品位と取引価格の相関がパラレルになっていることが分かった。
全米工では今年7月にも団体のホームページに、取引会に提出された原料米のサンプルを画像解析した写真とデータをアップすることにしている。会場に来られない会員社でも、この画像を見て買い注文を入れられるようにすることを目指している。
この新たなコメの取引手法をさらに進めて、全米工の会員社だけでなく、産地のJAや集荷業者、大規模稲作法人も取引に参加できるように会員規約を改正し、こうした産地業者が自社の新型穀粒判別器で画像解析したデータを全米工事務局に送信して取引に参加できるようにすれば良い。
こうすることによって今まで考えられなかったような幅広い産地と取引が可能になり、コメの価格形成の上でも重要な指標になる。
折しも一般社団法人日本農業生産法人協会は、内閣府の規制改革推進会議がコメの検査制度を取り上げた際、大規模稲作生産者が実需者に直接販売するコメを未検査でも表示を認めるように要請した。ほかにも経営安定所得対策のナラシ対策では、コメの価格が下落した場合、目視による農産物検査を一連の補填の担保にしているが、その撤廃を求めている。
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