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江刺の稲

新型コロナ禍と農業

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第286回 2020年04月27日

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しかし農林族議員たちが、緊急経済対策の案として「お肉券」「お魚券」の発行を提起し、その後に批判を受けてとん挫した。被害を受けている生産者には申し訳ないが、批判は当然のことであり、またぞろ農業界が失笑を買うようなことをしたものだ。むしろ、JA全中が行なっている「日本の畜産・酪農応援キャンペーン」と称し、抽選で和牛や豚肉などを無料提供するキャンペーンが人々から好意的に捉えられている。それはJAによる在庫処理としての意義とともに消費者に好感を持たれるという意味でも有効だと思う。
肉牛生産者や酪農家などは大きな影響を受けており、観光農業もまた一気に売り上げを落とすことになっている。さらには、入国規制によって期待していた外国人研修生の労働力を奪われている経営者にとっても今後の生産活動に大きな影響をもたらすだろう。こうした中で経営の先行きに不安を抱える経営者も多いはずで、お見舞いを申し上げたい。
でも、農業は常に自然災害と隣り合わせで行なわれているものだ。ましてや近年、度重なる震災や放射能汚染による風評被害、台風や洪水などが続いた。それに立ち向かってきた各地の農業経営者たちの姿を見てきた筆者にとってはきっと今回の事態もたくましく乗り越えていくと思う。
たくさんの従業員を抱える農業経営者にとっては様々な対策を講じる必要があるかもしれないが、ほとんどの農家にとっては、“三密”などという作業環境はない。粛々と作業を進め、こういう事態だから生じることをトラクターに乗りながら考えてみてはどうだろうか。

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