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【齊藤義崇の令和の乾田直播レポート】
乾田直播フォーラムin宮城2020編
- 齊藤義崇
- 第2回 2020年04月27日
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今年は東北でも盛大な乾直人(=乾田直播に挑む人)のイベントが開催された。去る2月14日に、プラウ耕・鎮圧体系による乾田直播を実践する生産者とともに技術を体系化してきた農研機構・東北農業研究センターが主催した「乾田直播フォーラム in宮城2020」だ。
当初は200名の定員で募集したと聞いていたが、当日の宮城県の仙台国際センターには生産者、行政、普及指導機関、研究者、農協・民間企業の関係者ら400名を超える参加者が詰めかけた。主催者に聞けば、週単位で申込者が倍増したという。久しぶりに会う東北の乾直人、全国津々浦々から駆け付けた土を考える会のメンバーの姿も数多く見られ、会場は熱気にあふれた。
そもそも先月号で紹介した「雪国直播サミット」は、北海道と東北の乾直人とのコラボ企画として始まったイベントである。初回を開催した12年前には、北海道、東北とも乾直に挑む乾直人はまだ少なく、集まったのは20名ほどだった。気候のハンデを克服し、苗づくりを止めて、畑の状態で種を播き、コメをつくる。その現場で普及指導に当たっていた大谷隆二氏(現・農研機構東北農研センター地域戦略部長)と、当時北海道で普及指導員を務めていた私は、乾直人と同じ熱意で企画を立て、双方がよいライバルとして技術を高めよう、情報を交換しようという役割を担ってきた。
時を経て、いまや北海道と東北の乾直面積はこの10年間で倍増した。北海道は1500ha弱に広がり、コメの生産面積の約10万haに照らせば、2%に届きそうなところである。増加の要因をどう捉えるかはさまざまだが、雪国の乾直人が挑戦を楽しみ、歴戦を重ね、その牽引役を果たしてきたことは間違いない。
イベント開催地の宮城県は、水稲作付面積約6万4800haのうち3657haが直播栽培という(2019年度)。会場に到着して驚いたのは、関係機関の職員の多さだった。生産者もさることながら、乾直への注目が高まっている証しと受け取った。この日のプログラムでは、各地区の事例報告を生産者とその支援者である関係機関の職員が発表している点も評価したい。関係機関が一体になって……とはよく言われることだが、行政が主催する場で具現化している場面はまだ少ない。東北の乾直に懸ける熱意に本気度を感じた。
そもそも先月号で紹介した「雪国直播サミット」は、北海道と東北の乾直人とのコラボ企画として始まったイベントである。初回を開催した12年前には、北海道、東北とも乾直に挑む乾直人はまだ少なく、集まったのは20名ほどだった。気候のハンデを克服し、苗づくりを止めて、畑の状態で種を播き、コメをつくる。その現場で普及指導に当たっていた大谷隆二氏(現・農研機構東北農研センター地域戦略部長)と、当時北海道で普及指導員を務めていた私は、乾直人と同じ熱意で企画を立て、双方がよいライバルとして技術を高めよう、情報を交換しようという役割を担ってきた。
時を経て、いまや北海道と東北の乾直面積はこの10年間で倍増した。北海道は1500ha弱に広がり、コメの生産面積の約10万haに照らせば、2%に届きそうなところである。増加の要因をどう捉えるかはさまざまだが、雪国の乾直人が挑戦を楽しみ、歴戦を重ね、その牽引役を果たしてきたことは間違いない。
開催地・宮城の状況報告
イベント開催地の宮城県は、水稲作付面積約6万4800haのうち3657haが直播栽培という(2019年度)。会場に到着して驚いたのは、関係機関の職員の多さだった。生産者もさることながら、乾直への注目が高まっている証しと受け取った。この日のプログラムでは、各地区の事例報告を生産者とその支援者である関係機関の職員が発表している点も評価したい。関係機関が一体になって……とはよく言われることだが、行政が主催する場で具現化している場面はまだ少ない。東北の乾直に懸ける熱意に本気度を感じた。
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齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
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