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齊藤義崇の令和の乾田直播レポート

乾田直播フォーラムin宮城2020編


3番手は、名取・岩沼地域の報告で、宮城県亘理農業改良普及センター先端技術班(作物)の佐藤紘子氏と(株)美田園ファームの取締役専務の大友博和氏である。まず普及センターの佐藤氏より、野菜と穀類の複合経営を営む美田園ファームの経営概要が説明された。法人と二人三脚で技術指導をしており、技術体系などが見やすい写真を添えて報告され、直播栽培で起きる現象を日頃から押さえていることが伝わってきた。また、大友氏による取り組みの紹介はハキハキした声で会場の後ろまで届き、若い力で地域に水田農業の技術革新を推進する勢いが感じられた。

近隣岩手の大御所が登壇

続いて、現場の事例報告のバトンは北隣の岩手県に引き継がれた。岩手県農林水産部農業普及技術課で農業革新支援を担当する寺田道一氏と、読者の多くもご存じの(有)盛川農場の盛川周祐代表が登場した。
まず寺田氏は、岩手県の直播面積は1000ha弱だが、乾直は約100haで、残りの9割が湛水直播だと報告した。宮城より気温条件が悪く、乾田直播の苗立ちや収量にフレがあることが20年間の取り組みからハッキリしているという。課題を克服するべく県が取り組んだ試験や調査のデータからは苦労が伝わり、苦しいときこそ技術は磨かれるという北海道と似た印象を受けた。
後半は、盛川氏より同社での直播の取り組み状況や規模拡大の経過、それに合わせた小麦やトウモロコシなどのほかの作物も含めた作業の流れなどが語られた。経営面積は84 haと以前より拡大し、区画は合筆により362筆(平均22a)から142筆(平均55a)になったという。盛川氏は雪国サミットの発足当時からの参謀的メンバーで、現在は次世代につながる経営体質を目指すことに力を入れていると語った。経営全体から見た乾直の有効性について、経験と知識に裏付けされた、論理的な解説とその見識の深さに参加者らの注目を集めていた。

北海道の乾直人の軌跡

事例紹介のトリは北海道である。登壇した私のミッションは、雪国・北海道の乾直人の取り組みを紹介することと、パネラーとして投げかけられた質問に答えることだった。直前になって都合がついたと北海道岩見沢市の新田愼太郎氏が急遽駆けつけてくれたのは心強かった。
私の報告では、はじめにスガノ農機と一緒に作成した、乾直スタイルブックを紹介し、乾直技術を実践している人のこれまでの取り組みの経過と具体的な技術体系を説明した。北海道は東北よりもより寒く、出芽までは30日以上かかるため、普段からの土づくりが肝になる。とくにプラウ、レベラーの2つの道具については原理を解説し、経験の浅い参加者や関係者にもわかるよう伝えたつもりである。

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