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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第16回 水田地帯に大規模なブドウ畑 消費者志向で生産性を追求(株)アルプス(長野県塩尻市)

2000円を切るワイン造りを目指している。「消費者ニーズに応えるワインを造る」ためだ。コストダウン、生産性重視の経営であり、水田地帯に広がる大規模ヴィンヤードも目を見張る。輸入果汁を使った国産ワインも消費者志向だ。矢ヶ崎社長「市場の5%しか占めない分野だけ議論するのはおかしい」

1 大規模生産による地域貢献―値ごろ感のあるワイン生産で経営発展

塩尻に(株)アルプス(矢ヶ崎学社長)を訪ねて、日本のワイン産業について描いていた絵が一変した。頭の中を再構成する必要に迫られた。次々と新規参入する小規模ブティックワイナリーとは全く違う。アルプスの矢ヶ崎社長はビジネス志向が強く、発想は「突き抜けている」。
アルプスワインの生産規模は大きい。国産ブドウ100%の日本ワイン120万本、輸入濃縮果汁を原料とした国内製造ワイン220万本、輸入ワイン10万本、合計350万本である(表1参照)。ワイン生産量としては長野県の半分を占める大きさである。ワイン以外にジュース類も生産している。年間売上高は35億円。
日本ワインの生産規模は全国2位である(1位は北海道ワイン250万本)。輸入原料を使用している点では、メルシャンやサントリーなど大手資本と同じ製品構造であるが、日本ワインの比重の大きさが違う。
サントリーやメルシャンは日本ワインの比重は1%程度であり(輸入原料の国産ワインが多く、日本ワインは両社とも60万~70万本)、ステータスシンボルとして日本ワインを生産しているに過ぎないが、アルプスは3分の1が日本ワインであり、事業の根幹を成す。したがって、日本ワイン事業で企業の収益が成り立つように、「生産性向上」に取り組んでいる。小規模のブティックワイナリーや大手資本との違いだ。
大規模生産の優位性(規模の利益)を活かして、手頃な価格でワインを提供し、誰でもが楽しめるワイン造りを目指している。高級ワインを造れるという自己満足型ではなく、消費者の立場に立って考えている会社の経営方針が見える。

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