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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第16回 水田地帯に大規模なブドウ畑 消費者志向で生産性を追求(株)アルプス(長野県塩尻市)



■大幅な省力化を実現 農園作業の機械化
ブドウ畑はレインプロテクション(雨除けビニール)が設置され、ブドウ品質の向上に役立っている。防鳥ネットもある。また、農園管理は摘芯、誘引、防除、除草、それから除葉作業等を短期間のうちに実施しなくてはならないが、農園は機械化が進んでいる。
その中でも除葉は高品質なブドウを収穫するためには必須の作業であるが、Leaf Stripper(除葉機)を導入している。大型トラクターの先端にリーフカッターを取りつけ、ブドウの垣根に沿って走行することにより房回りの葉を除去できる優れものだ。従来は垣根バサミを使い手作業で行なっていたため多大な労力と時間がかかっていたが、大幅に省力化できた。
除草は全体の作業の2割位かかるが、これもセンサーを活用し、作業時間を短縮化した。
機械化で、単位面積当たり作業時間は3~4割減ったという。

■ナイトハーベストで香りの高いブドウを収穫
白ワイン用のシャルドネとソーヴィニヨンブランの2品種は一部(約2t)、ナイトハーベスト(夜明け前収穫)である。陽が昇る前に収穫する(3時~6時半)。香りが違う。香りは光合成が起きる前に消えるので、夜明け前に収穫し香りの高いブドウを穫っている。
ナイトハーベストしたブドウを使用したワインは香りが高く、果実味と酸味のバランスが良いので、高価で売れている。例えば、シャルドネ種を使ったワインの価格は、松本平シャルドネが1650円であるのに対し、自社農園産の塩尻シャルドネは2700円、自社農園でナイトハーベストした桔梗ヶ原シャルドネはワンランク上のワインに使われ、4000円である(MdVエトワール)。
また、日本ワインコンクール2019では、ナイトハーベストしたソーヴィニヨンブラン種を使用したワインが「金賞・部門最高賞」を受賞した。

3 低コストを支える仕組み―ブドウ品種選択から工程管理まで

メルローは高級赤ワインの原料となるが、塩尻桔梗ヶ原はメルローの特産地である。日本で初めてメルローの栽培研究を推進し根付かせてきたのは桔梗ヶ原であり(拙稿、現地ルポ「五一わいん論」、本誌19年12月号参照)、栽培面積も欧州系品種の中で一番多い。塩尻はメルローに強い比較優位があると言って
よい。
アルプスファームも、メルロー栽培に積極的に取り組んでいる。しかし、矢ヶ崎社長は「ブラッククイーン」に格別の思い入れがあるようだ。ブラッククイーンは生産性が高いからだ。

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