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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第16回 水田地帯に大規模なブドウ畑 消費者志向で生産性を追求(株)アルプス(長野県塩尻市)


国内で十分供給できないのに、「輸入」無視は消費者利益に反する。日本ワインの原料供給の制約から、輸入ワインや輸入濃縮果汁が大量に流通しているのである。輸入を問題にしないワイン市場論は、消費者に顔を向けていない議論ということであろう。
国産ブドウ100%の日本ワインだけでは、消費者のニーズに応えることはできないのである。日本国内におけるブドウ供給の制約、コスト高が背景だ。仮に、輸入が規制され、純国産日本ワインだけしか流通できないとなれば、日本ワインの価格は高騰し、中・低所得の消費者はワインを飲むことができなくなるであろう。アルプスワインが輸入原料ワインを手掛けるのは消費者志向の一端である。

■輸入ワインは現地で栽培から醸造まで立ち会う
輸入濃縮果汁は、米国ワシントン州の、降水量が少なく“有機農法”が可能な地のブドウ栽培者と契約を結び、輸入している。現地で、指導のため栽培まで立ち会っている(注:チリからの輸入も一部ある)。これを原料にして造った国産カジュアルワインは「あずさワイン」シリーズで1本600~1100円で売っている。
面白いことに、アルプスの日本ワインは「Musee de Vin」とラベルは外国語であるのに対し、輸入原料の「あずさワイン」のラベルは日本語である。これは、製品説明を詳細にするにあたり、輸入原料であるが故に、消費者が分かり易い日本語にしたとのことである。英語の説明では製品の安全・安心が伝わらない。もちろん、「日本ワイン」の表示はない。
一方、アルプスが手掛ける輸入ボトルワインは、スペインとオーストラリアから輸入している。オーストラリアからは“オーガニック”、スペインからは“ビオ”ワインである。日本は雨が多く、湿度も高いため、オーガニックの原料が作れないので、輸入依存だ。輸入ボトルワインはブドウ栽培だけでなく、醸造まで立ち会う。酵母、醸造温度まで注文する。日本語混じりのラベルであるが、現地で瓶詰め、ラベルも貼って、輸入する。
輸入ワインは「ヴァンドゥツーリズム」シリーズで、1本900~1100円で販売している。すべて有機ワインである。3年前から輸入ワインを手掛け、現在、本数で10万本、1億円ビジネスに育った。

■カリフォルニア・コンセンサス「日本ワインの水準は50点」
国産=善、輸入=悪、という国粋主義的な国産主義の風潮がある。しかし、輸入ワインのシェアが約7割(輸入濃縮果汁ワインを含めると約95%)という実態に示されるように、消費者に支持されており、輸入ワインは品質が悪いということではない。実際、ワインはブドウで決まると言われるが、海外のワイン先進地では日本よりいいブドウができている。

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