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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第16回 水田地帯に大規模なブドウ畑 消費者志向で生産性を追求(株)アルプス(長野県塩尻市)


「日本ワインの点数は何点ですか」と聞いてみた。カリフォルニア大学デービス校出身の米国人専門家は「50点未満」と答えた。日本におけるワイン学の最高学府の大学教授も「50点」と答えた。デービス校と学術連携のある大学人である。日本のワイン用ブドウ栽培は適地適品種になっていないと言う。「50」で共通している。どうやら、カリフォルニア大学関係者の間では「50点」がコンセンサスになっているのではないか。
矢ヶ崎社長にも同じ質問をした。「30点」と辛口の評価である。ブドウの品質が高くないらしい。醸造は70点という。メルシャンはじめ大手の技術は高いと言う。日本のワインの水準がこのようなものである以上、輸入ワインが増えるのはやむを得ない。日本ワインはブドウ品質向上への一段の取り組みが期待される。
アルプスの製品構成は、輸入原料ワインが多いが、今後、商品構成は変化しそうだ。傾向としては、輸入原料ワインが減少、日本ワインが増加の方向にある。矢ヶ崎社長「輸入原料使用ワインは競争激化のため、苦戦している。その分を、自社農園拡大により原料を確保し日本ワインを拡販、プラス、スパークリング系ワインと輸入ボトルワイン部門を強化していく」。輸入ワインに関しては、製品差別化のため、「ストーリーづくり」も課題のようだ。
国産ブドウの供給を増やすべく、自社畑を拡張する計画である。現在、自社畑の圃場は47haであるが、100haまで拡張する計画である。農家の後継者不足に伴い、耕作放棄地の増大があるので、圃場候補地は幾らでもあるようだ。1ha以上まとまっている土地を探している。

5 クラフト原理主義への疑問―小さいことはいいことか?

日本ワインの成長率は必ずしも高くない。日本ワイナリー協会の推計によると、日本ワイン生産指数(2007年=100)は11年120から16年148へ伸びた。5年間で23.3%増、年率4.3%の成長である。「日本ワインブーム」と言われる割には案外小さな成長率である(注)。ただし、小規模ワイナリーの新規参入が多いので、上位14社以外で伸びており、上記の数字は若干過小評価と思われる。
アルプスの日本ワインは10年1600キロリットル、19年2300キロリットルである。9年間で44%増加、年率4.1%の成長である(18年は2400キロリットル、平均成長率5.2%)。業界全体の成長と大差ない。

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