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特集

激震!新型コロナウイルス(2) 農業者の「切実」

20年度補正予算が成立し、緊急対策事業が順次始まった。しかし緊急事態宣言は5月末まで続く見通しだ。農業者たちの切実な声が聞こえてくる。苦しいなかでも助け合う人たち、新たな活路を切り開こうとしている人たち……。今回は農業現場からのレポートを中心にお届けしよう。なお、各記事はおおむね4月末時点までの情勢に基づいている。 (コーディネート・取材/平井ゆか、編集部)
農業関連コロナニュース
11/2 中国武漢市で「原因不明のウイルス性肺炎」最初の症例確認
1/15 国内感染者初確認(中国・武漢市からの帰国者)
1/30 新型コロナウイルス感染症対策本部発足
1/31 WHO、感染18カ国に「世界的な緊急事態」宣言
2/27 政府、全国の小中学校と高校、特別支援学校に臨時休校を要請
3月半ばロシア・ウクライナ・カザフスタン・インド・ベトナム・カンボジアで小麦やコメに輸出規制始まる
4/1 米国、中国、台湾、韓国など49カ国・地域を対象に入国拒否
4/7 7都府県に5月6日まで1カ月の緊急事態宣言
宣言後 生花店の臨時休業続出、産地出荷制限、花卉の行き場が失われる
観光イチゴ農園の予約キャンセル相次ぐ
4/17 緊急事態宣言全国に拡大、特定警戒都道府県は13に
4/20 解雇された技能実習生が他分野でも働ける特例措置
4/21 G20農相臨時会議(テレビ会議)で声明採択「食料安保で協力、輸出規制回避」
4/22 中央酪農会議が緊急対策開始、牛乳製品を学童施設などに無償提供した場合は経費全額助成
4/26 4月の和牛子牛価格、5年ぶりに65万円割れ、繁殖経営苦境に(日本農業新聞)
4/28 来日できない農業分野の技能実習生(特定技能含む)が2400人に増加(江藤農水相会見)
4/30 緊急経済対策を含む今年度補正予算成立
GW 連休中の帰省自粛、田植え作業に支障も
5/4 緊急事態宣言5月31日まで期間延長、一部前倒し解除の可能性も

観光農園(山形)予約キャンセル続出の危機を逆転するアイデア

こういうときだからこそ、助けてくれる人もいるし、平時ではできないこともある。
将来、あれがあったから今があるよねと一緒に働く仲間と笑い合えるようにしたい。

(株)やまがたさくらんぼファーム(以下、王将果樹園)は、観光農園とショップ&カフェを営んでいる。観光客の減少で軒並み観光農園が打撃を受けるなか、王将果樹園も例外ではない。代表取締役の矢萩美智氏(44)は、サクランボの最盛期を前に対策を進めてきた。

【売れ筋ワケあり品の通販を強化】

本場山形のサクランボ狩りは人気だ。前年の8月から団体の予約が入り始め、12月には個人の予約が入ってくる。例年、果物狩りのお客様は3万人名になる。しかし、今シーズンは、その予約のほぼすべてがキャンセルになった。
主力のサクランボは5haで栽培し、成木からの収穫量はおおむね10~12tになる。例年、観光客がサクランボ狩りで収穫したり、直売所で購入したりする量と、通販の量は半々だ。つまり、全体の半量に当たる5t以上のサクランボが行き場を失うことになる。
そこで始めたのが、「ワケあり倶楽部」という名の新たな通販商品だ。矢萩氏は、いわゆる「ワケあり」のイメージとは異なる商品を考えた。
傷ものや赤い色がきれいに入りきらないサクランボは、年によって異なるが2割ほど出てしまう。従来、これを観光農園内の直売所(以下、ショップ)で「ワケあり」として販売してきた。ショップでは、贈答品のような少量のものよりも、どちらかというとボリュームを求める人が多い。「ワケあり」は人気筋商品なのだ。

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