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今年の市場相場を読む

コロナ騒動で野菜の消費構造に変化 キャベツ/ニンジン/ハクサイ/ダイコン

新型コロナウイルスの影響で国民の生活全般が全く新たな対応を余儀なくされ、食の形も変わった。外出自粛要請で“家食”中心になる中、家庭向けの食品需要が突然増えて野菜の相場も予測が立たず、迷走している。入荷の増減に敏感に反応する、底堅い業務需要が建値を作ってきたが、小売需要が主体になると、どうしても軟調推移となるのではと予想していた。実際、小売需要、つまり家庭用品目については、通常であれば高くなったら手が出なくなるが、子供のいる家庭だと1日3食用意しなくてはならないことから、主要品目で家庭需要に引っ張られて高くなるという珍しい現象も起きている。

キャベツ 季節野菜である春系が遅れて高く、家庭食に不可欠な便利食材として

【概況】
東京市場ではすでに、昨年の12月末から主産地・愛知が前進気味で57%というシェア拡大もしつつ、前年より22%も多く、単価も前年を2割も割り込んでいた。この勢いが2月上旬まで続き、単価は前年のほぼ半分のキロ50円台まで落とすという近年まれなほどの前進となった。3月に入っても春キャベツの産地である千葉や神奈川が遅れ、3割程度下回る出荷状態。愛知産を例年より引っ張って4月に入った。
【背景】
単価は3月下旬に至ると119円と100円超えで、4月上旬にはやっと神奈川が遅れを取り戻すかのように6割近く増えて135円の“春キャベツ相場”になった。愛知産の寒玉は100円相場に落ち着いてくるかと思えば、千葉産が遅れを取り戻せず、高値推移した。下旬には千葉が4割以上増やしながら入荷するも、絶対量が少なく、愛知産も前進化の影響で不足感が強くて150円を超えた。季節商材である春キャベツが不足したことで、相場全体を引き上げた。
【今後の対応】
緊急事態宣言が出た4月には、最も使い勝手のいい野菜であるキャベツの家庭需要が強すぎ、小売店頭では半玉で198円という高値が続いた。業務用需要から最後まで支持される愛知産の寒玉が、前進化で後半に続かず、関東産地が遅れ、そこに、いつもは値ごろに敏感な消費者が、家食に欠かせないキャベツを多少高くても必需品として買うという非常事態になったのだ。コロナ流行って、キャベツが高くなる……。これはやはり今年だけのもの。

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