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江刺の稲

山田正彦氏の種苗法に関するデマを許すな

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第288回 2020年06月29日

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「私は、私が行っている自家採種(自家増殖)について説明し、今後、種苗法が改正すれば『許諾をきちっと受けて増殖していくということが当然必要』と発言させていただき、今後は許諾に基づいて増殖を行いたいとお話しさせていただきました。
ところが、大変不本意なことに、元農水大臣の山田正彦氏は、私が全く逆のことを言っているかのように吹聴されているようです」
そもそも横田氏は種苗法改正に賛成の立場であり、さらに気候変動が続く近年では、栽培管理の徹底だけでは解決できない課題もあり、そのためにも新たな優れた品種が開発されることを期待しているのだ。
山田氏をはじめとする種苗法に反対する人たちの意見とは、「農民が自由に行なえた自家採種ができなくなると種苗費が大きくなり経営が圧迫される」というもの。さらには山田氏らのように「種苗法ができれば海外の種苗メーカーに日本農業が乗っ取られてしまう」などという荒唐無稽な議論もある。
そもそも今回の種苗法で問題とされるのは「登録品種」だけのことである。ほとんどの作物で登録品種の割合は全品種の中で1割以下であり、種苗法が改正されても自家増殖を含め利用が制限されない一般品種がほとんどなのである。登録品種の割合が最も高い(16%)コメの場合でも、すでに登録期間の過ぎたコシヒカリ、ひとめぼれ、あきたこまちなど栽培面積の大きな品種は自家採種も自由なままなのである。小規模農家で種苗費が上がることを心配するなら、それより先に考えるべき生産コスト低減の課題があるはず。
これまで本誌でも様々な民間育成品種を紹介してきたが、当然それらの種子価格は高い。それでも、それを使う経営メリットがあるから利用されているのである。野菜種子のジャンルでは国産企業が海外でも大きなシェアを持っているものも少なくない。むしろ、コメ、麦、大豆、馬鈴薯などの旧食管作物の育種が官に独占されてきたことの弊害の方が大きいのではないだろうか。
農業経営の多様な発展のために種苗法改正は必要なのである。

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