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スマート・テロワール通信

地元産トウモロコシで蓼科牛を肥育するために開墾から着手


3月末には圃場全体に約30tの牛糞堆肥を投入した。常時300頭を肥育している角田牧場は、牛糞の堆肥化施設も所有している。父の敏明氏がホイールローダーで自家製堆肥の山を切り崩しながら圃場に撒いていった。
4月27日、いよいよプラウ耕である。草木を除去したばかりの1年目の圃場ではプラウ耕は負荷が大きかったが、100馬力のトラクターで切り抜けた。5月13日にはカットロータリーで砕土・整地をした。プラウ耕後の土の塊を砕き、細かくなった土を鎮圧し播種床をつくる作業である。5月15日、6条の真空播種機を使用し、畝幅72cm、株間20cmで播種した。真空播種機は、上部のタンクから供給される種を吸いつけて地面に1粒ずつ落としていく播種機である。播種後には基肥として硫安を撒いた。
「播種から約1週間後に無事発芽した。近隣の生産者の方や機械メーカーの方などに協力してもらったからできたことで、一人ではできなかった。やってみてわかったことも多い」

蓼科牛全体で取り組みたい

やろうと思い立ってから、開墾、土づくり、播種まであっという間だった。発芽して一段落したところである。しかし、これからの課題は多い。開墾して1年目の圃場はまだ粗削りなところもあり、土づくりや均平など圃場整備も続けていかなければならない。今後、面積を広げていくには機械や設備も必要になってくる。目下の課題は、標高約千メートルの圃場で無事生育し収穫できるか、また、どんな形で牛に与えるかということである。圧ぺんして飼料会社で配合してもらい、角田牧場の肉牛に与えようと考えているが、量が少ないと配合してもらうのは難しいと予想している。店の経営も抱えながら、角田氏は忙しく走りながら考えている。
「一人で生産できる量は少ないし、もっと生産が広まるとよいと思う。もともと角田牧場の牛のためだけに始めたことではない。地域全体で『蓼科牛は立科産のトウモロコシを食べて育った』と言えるようになればいいと思っている」
角田氏は、一緒に蓼科牛を盛り上げようと参加してくれる人を待っている。

中田康雄の気づき

【地方への資源分散】

前号で地方分権の必要性を述べた。並行して地方への資源分散を考えなければならない。
藻谷浩介氏によると、東京の可住地面積(林野と湖沼を除いた面積)1平方km当たりの人口密度は9454人に達する。大阪は6716人、神奈川が6172人。4番目の埼玉からぐっと小さくなって2794人。最も小さいのは北海道の248人である。

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