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知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

ウルグアイ 世界で初めて全用途を包括的に合法化した国の麻事情

南米のブラジルとアルゼンチンに挟まれたウルグアイ共和国は、2013年に世界で初めて大麻草(以下、麻とする)を包括的に合法化し、世界中の注目を浴びた。人口は約345万人。国民1人当たりのGDPや民主主義指数が中南米第一位で、政治や社会が成熟した国家とされている。
国土の大部分を砂じょう土の丘陵地帯が占め、収益性の高い牧畜業が主要な輸出産業として行なわれてきた。肉用牛の飼養頭数は約1200万頭、羊は約800万頭。牛肉の1人当たりの年間消費量は約60kgと世界トップクラスで、日本人の約10倍は食べるそうだ。
現在同国がある地域は1516年にスペインの探検隊によって発見され、1600年代以降はスペインの植民地として統治下に置かれた。ヘンプ栽培は、1782年に後の首都となるモンテビデオで「ヘンプ・プランテーション」を開拓したのが始まりとされている。スペイン王朝は当時、北米・中米・南米大陸やアフリカに拡大していた植民地を含む領土全域で、ヘンプ栽培に補助金を支給していた。この地でもヘンプ栽培が推奨され、相次ぐヨーロッパ各地の戦禍で需要が拡大した帆船の布やロープ等の生産に貢献した。ウルグアイは、その後、独立戦争を経て1828年に独立を果たしている。

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内戦が落ち着いた20世紀初頭、Fibra Vegetal 社が国内のヘンプ事業を独占し、栽培研究は共和国大学農学部が担っていた。というのも、1925年の第二アヘン条約と61年の麻薬単一条約によって国際的な大麻規制が整備されたが、ウルグアイでは用途に限らず、麻の生産・所持・使用等が公式に禁止されてこなかったからだ。74年に制定された麻薬法は、98年に大きく改正され(No.17.016)、“合理的な”用量の消費については非犯罪化のまま明確な規定は設けられていない。

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