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土門「辛」聞

“冬のお化け”話で煽る種苗法改正反対派に根拠なし


改正目的を産経新聞の記事に即して説明してみたい。種苗は、一般的には種苗会社から農協や種苗商・ホームセンターを通じて農業者へと流通する。育成者権者(ここでは種苗会社)が「国内利用限定、国内栽培地域限定」を利用条件にしておけば、流通ルートで入手した種苗を海外に持ち出すことはできなくなる。種苗出荷時に許諾という形で購入者と契約して、それに違反した場合は購入者にペナルティを果たすことになる。
現に山形県の特産サクランボの「紅秀峰」は、同県内の農家を通じて海外へ流出したケース。その農家を訪ねたオーストラリア人が1本の枝を持ち出しタスマニアで産地化に成功、それが豪州産「紅秀峰」として6年後にわが国に逆上陸しようとして発覚した。
改正案に「農業者の自家増殖」にも育成者権者の効力が及ぶ項目を入れたのは、「紅秀峰」の二の舞を防ぐための措置。ただ農家が、育成者権者の許諾を得た場合は、この限りではないとする。今回の改正であらたに育成者権侵害となるこれら行為については、「流通差止や損害賠償請求等民事上の措置に加え、個人の場合は懲役10年以下、罰金1000万円以下、法人には罰金3億円以下の刑罰の対象」になる。
海外への不正流出で意外な盲点が農家の庭先からのルートだ。とくに中国。目をつけた日本人篤農家に「技術指導を賜りたい」と言葉巧みにアプローチ。その気になった篤農家が種苗をトランクに忍ばせて訪中。それが中国の日本向け産地の育成につながったという話はよく耳にする。
そういう事態を防ぐためにも、育成者権者の許諾を得ないで無断増殖した者に対する罰則強化は極めて適正。種苗が知的財産であることを農業現場に浸透させる法改正になると思う。メディアも、登録品種の無断増殖が、記事の盗用・剽窃と同じ行為であることを認識すべきだ。

フェイク・ニュースに飛びつく法改正反対議員

この種苗法改正に国会内で「待った!」をかける動きがある。右代表は、法案提出の1カ月前にツイッターで「種苗法の改正法案、大問題です」と呼びかけた参院議員の福島瑞穂さんだ。社民党所属で比例区選出。弁護士の資格を持つ方である。4月22日付けツイッターで「種苗法改正反対」のインフルエンサー(拡散役)を担っていた。
「今日の東京新聞の『こちら特報部』は種苗法改正法案をとり上げています。登録品種8700超で許諾必要になれば自家増殖が禁じられるのではないかと言う懸念をしっかりとり上げています。種子法の廃止の時も農家の人たちに十分な説明もないまま成立をしました。種苗法の改正法案、大問題です」(4月12日付け)

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