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【Economic eye】
どの酒が「国民酒」か? コロナ禍巣ごもりで伸びた酒は何か
- 評論家 叶芳和
- 2020年06月29日
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まず「国民酒」とは何か。定義が必要だ。簡単に言えば、庶民と喜怒哀楽を共にするのが「国民酒」である。
コロナ禍で多くの国民が苦しんだ。政府の緊急事態宣言に伴い、居酒屋等は営業自粛し、消費者は外出自粛し「巣ごもり」が始まり、「家飲み需要」が増えたと言われる。さてこの時期、実際にはどの酒が増えたか。
清酒は減少トレンドが支配してきたが、オヤジの酒「普通酒」(昔の二級酒)が減っているのであって、純米系は増加傾向にある。純米吟醸の割合が多く、全国の吟醸酒化をリードしているのは山形県であるが、同県酒造組合会長の仲野益美氏(出羽桜酒造社長)に緊急取材した。
政府の緊急事態宣言によって、清酒の販売は大きく落ち込んだ。4月の山形県の酒類卸の前年同月比の水準は、清酒57%、焼酎甲84%、乙68%、ビール42%、ウイスキー64%、軽アルコール85%である。飲食店や旅館ホテルが“9割減”という状況の中で言えば、まだ良い数字である。お酒は「家飲み」があるからだ。
この「家飲み」がキーワードである。例えば、ビール42%という落ち込んだ数字は居酒屋休業が影響しているのであって、じつは家庭で飲まれる第3のビールは伸びている(ビール42%には第3のビールは含まれない)。
コロナ禍で多くの国民が苦しんだ。政府の緊急事態宣言に伴い、居酒屋等は営業自粛し、消費者は外出自粛し「巣ごもり」が始まり、「家飲み需要」が増えたと言われる。さてこの時期、実際にはどの酒が増えたか。
清酒は減少トレンドが支配してきたが、オヤジの酒「普通酒」(昔の二級酒)が減っているのであって、純米系は増加傾向にある。純米吟醸の割合が多く、全国の吟醸酒化をリードしているのは山形県であるが、同県酒造組合会長の仲野益美氏(出羽桜酒造社長)に緊急取材した。
政府の緊急事態宣言によって、清酒の販売は大きく落ち込んだ。4月の山形県の酒類卸の前年同月比の水準は、清酒57%、焼酎甲84%、乙68%、ビール42%、ウイスキー64%、軽アルコール85%である。飲食店や旅館ホテルが“9割減”という状況の中で言えば、まだ良い数字である。お酒は「家飲み」があるからだ。
この「家飲み」がキーワードである。例えば、ビール42%という落ち込んだ数字は居酒屋休業が影響しているのであって、じつは家庭で飲まれる第3のビールは伸びている(ビール42%には第3のビールは含まれない)。
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叶芳和 カノウヨシカズ
評論家
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了。元・財団法人国民経済研究協会理事長。拓殖大学 国際開発学部教授、帝京平成大学現代ライフ学部教授を経て2012年から現職。主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社1993年)、『走るアジア送れる日本』(日本評論社2003年)など。
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